マルギト

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マルギト（Margareta of Hungary、生没年不詳）は、東ローマ帝国の皇帝・イサキオス2世アンゲロスの皇后。父はハンガリー王・ベーラ3世。

父の政略のため、東ローマ皇帝であったイサキオス2世と結婚した。二人の仲は良く、その間に彼女は二人の子供を出産している。しかし1195年、イサキオス2世の弟・アレクシオス3世アンゲロスのクーデターで夫と共に廃されたうえ、幽閉された。その8年後の1203年、アレクシオス4世アンゲロス（イサキオス2世の息子だが、彼女の子ではなく先妻の息子）擁する十字軍に助け出された。しかし1204年、今度はアレクシオス5世ドゥーカスのクーデターにあい、夫は殺されてしまったのである。

その後、十字軍のモンフェラート侯（エルサレム王・コンラドの弟）と再婚した。これも実はモンフェラート侯の政略で、マルギトが東ローマ帝国の皇后であるという経歴を利用して、その権利によってラテン帝国の皇位を狙ったのであるが、果たせずサロニカ王となった。そして彼も1209年にブルガリア人とクマン族との戦いで戦死すると、彼の先妻の息子とマルギトの幼い王子との間に後継者争いが生じ、マルギトはラテン皇帝・アンリ・ド・エノーの援助を受けて、我が子に王位を継がせることに成功したのである。その後、自ら息子を後見したが、1224年にイピロスの東ローマ帝国残党によりサロニカを攻略され、実家のハンガリーに逃亡した。動乱の時代に翻弄されながら必死に生きた女性の一人であろう。