メシア
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イエス関連項目 |
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メシアは、ヘブライ語のマーシアハ(משיח)の慣用的カナ表記で、「油を注がれたもの」の意。メサイアは、Messiah の英語発音。
出エジプト記には祭司が(28:41)、サムエル記下には王が(2:4)、その就任の際に油を注がれたことが書かれている。後にそれは理想的な統治をする為政者を意味するようになり、さらに神的な救済者を指すようになった。ユダヤ教におけるメシア(w:Jewish Messiah)はダビデの子孫から生まれ、イスラエルを再建してダビデの王国を回復し、世界に平和をもたらす存在とされている。
メシアに対応するギリシャ語はクリストス(Χριστος)で、「キリスト」はその日本語的表記である(ヨハネによる福音書 1:41)。クリスチャンはイエス・キリストがそのメシアであると考えている。
各時代にメシアを称した者(保守派や、大多数の者からは「偽メシア」ということになる)は、当然ユダヤ教内部でも解釈が分かれ、分派を形成した。また、これに賛同したキリスト教徒・イスラム教徒もいた。
イスラームでもユダヤ教、キリスト教からメシアの概念は継承されており、アラビア語で「マスィーフ」( مسيح masīḥ)と呼ばれ、イエス・キリストのことを指す。イスラームにおいてはイエス自身は預言者にして預言者ムハンマドに先行する「神(アッラーフ)の使徒とされており、また神が派遣したメシアであることも認識されている。クルアーンの記述から「マスィーフ」(救済者、メシア)はダビデの子孫から出現するとされ、人々の苦難から救済しアッラーフ(神)の支配を確立する者としている。終末のときに神の代理人として出現し偽メシアを討伐するといい、これらもユダヤ教、キリスト教のメシア像から受継がれている。イスラームにおいて「マスィーフ」はキリスト教の救世主であるのに対し、イスラム共同体における救世主は「マフディー」(「正しく導かれる者」の意味)と称する。単に「アル=マスィーフ」(al-Masīḥ)、「マスィーフッラーフ」( مسيح اللّهMasīḥ Allāh ;神のメシア)と呼ぶ場合、イエス・キリスト自身を指す尊称である。
目次 |
[編集] ユダヤ教における偽メシア
- イエス・キリスト(キリスト教にとってのメシア/神/神の子、イスラム教にとっての預言者。分派を形成)
- ユダの子メナヘム(第1次ユダヤ戦争を指揮、父であるガリラヤ人ユダは熱心党の創始者)
- バル・コクバ(第2次ユダヤ戦争を指揮)
- クレタのモーセ
- スペインのセレヌス
- David Alroy
- アブラハム・アブラフィア
- ニッシム・ベン・アブラハム
- Moses Botarel of Cisneros
- アッシャー・レムライン Asher Lemmlein
- イサーク・ルリア
- シャブタイ・ベン・ツヴィ(解釈が分かれ分派を形成)
- アイゼンシュタットのモルデカイ・モキア
- ヤコブ・フランク(解釈が分かれ分派を形成)
- メナヘム・メンデル・シュネールソン(現在、解釈が分かれている)
[編集] キリスト教における偽メシア
[編集] メシアを自称した者たち
- 金百文(キム・ペグモン)(自分が再臨のキリストであると主張)
- 朴泰善(パク・テソン)(1960年代に、キリストが雲に乗ってくると言って、多くの信徒を連れて閉鎖的な信仰村を作った。キリストが来ると予言した日には何も起こらず、信徒たちは離れて行った。自分こそが再臨のキリストであると主張)
- 文鮮明(ムン・ソンミョン)(1992年に公の場でメシヤ宣言した。)
- 麻原彰晃(1991年に「キリスト宣言」を出して、自分だけが世界を救済することのできる「救世主・キリスト」であると宣言。)
- 出口王仁三郎(自分を、再臨(再来)のキリストだと主張)
- 又吉イエス 選挙演説などで再来のキリストと主張。
[編集] 関連項目
- キリスト
- 救世主
- メシアニズム
- List of messiah claimants