ライオン級巡洋戦艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ライオン級巡洋戦艦はイギリス海軍の巡洋戦艦。1909年度計画により2隻(ライオン、プリンセス・ロイアル)、1910年度計画により1隻(クイーン・メリー)の計3隻が建造され、1912~1913年に竣工した。同時期に計画・建造されたオライオン級戦艦と対をなす巡洋戦艦である。
1911年度には更に4番艦(タイガー)が計画されたが、こちらは後に日本向けの金剛級を改正した艦へと変更された。
巡洋戦艦としては前作となるインディファティガブル級からの主な改正点は以下の通り。
- 主砲を34.3cm(13.5インチ)砲に変更
- 主砲塔を全て中心線上配置に
- 速力を27ノットへと向上
- 防御力を強化(例:水線装甲を229mmに増加)
これらを実現するために機関出力は70,000馬力に増大され、排水量が26,270t、全長213mという巨艦となった。
なお、1年遅れで建造された3番艦クイーン・メリーは1、2番艦に対して各所が改良されている。
第一次世界大戦には3隻ともに参戦し、ヘルゴラント・バイト海戦、ドッガー・バンク海戦、ユトランド沖海戦などに参加。クイーン・メリーがユトランド沖海戦で戦没した。
戦後まで生き残った2隻は、ワシントン海軍軍縮条約により廃棄された。
[編集] 要目
- 常備排水量:26,270t(クイーン・メリーは26,770t)
- 全長:213.4m
- 全幅:27.0m
- 喫水:8.4m
- 主機/軸数:蒸気タービン2組/4軸
- 出力:70,000馬力(クイーン・メリーは75,000馬力)
- 速力:27ノット(クイーン・メリーは27.5ノット)
- 航続力:5,610海里(10ノットの場合)
- 兵装:34.3cm砲連装4基、10.2cm砲単装16基、4.7cm砲単装4基、53.3cm水中魚雷発射管4門
- 装甲:水線229mm、甲板64mm、バーベット229mm、砲塔前盾229mm、司令塔254mm
- 乗員:997名
- 同型艦:3隻