ライビーナ
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ライビーナ (英語 Ribena)はイギリスのグラクソ・スミスクライン社が製造している清涼飲料水。オーソドックスなのは黒すぐり(カシス)の果汁を使った濃縮タイプのものだが、国・地域により、別の果汁を使ったものなども販売されている。
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[編集] 歴史
1938年、イギリス西南部のブリストールに本社を置くカーターズ(Carters)社が黒すぐりのコーディアル(濃縮果汁飲料)を製造し、黒すぐり(クロフサスグリ)の学名Ribes nigrumに因んでRibenaと名付けて売り出したのが始まり。
第二次世界大戦で物資が乏しくなる中、黒すぐりはビタミンCに富むため、貴重なビタミン源として政府が栽培を奨励し、かつイギリス各地の児童に配給できるように、戦時中はほとんどがカーターズ社を中心とする企業によって濃縮果汁飲料などに加工された。
戦後、1950年代にカーターズ社はビーチャム(Beecham)社に買収され、後の合併によってグラクソ・スミス・クライン社の一部となった。
イギリスでは1990年代に缶入り炭酸飲料も発売されたが、売れ行きは芳しくなく、すぐに市場から消えた。
アジアではイギリスの植民地であった香港などで販売が続けられており、中国語では「利賓納」(リービンナー)と表記される。
日本では2006年からDHCが黒すぐりの濃縮果汁飲料タイプのみを輸入販売している。
2007年3月現在、ラビーナにはほとんどビタミンCが含まれてないとする、公正交易監視機関コマース・コミッション調査による判断で、グラクソ・スミスクライン社に多大な罰金が科せられる可能性が高くなっている。
[編集] 主な販売地域
[編集] 種類
現在、ライビーナは旧イギリス植民地を中心に世界20数ヶ国で販売されており、各地で商品構成は異なるが、販売されているものには、次のようなものがある。
[編集] 形態
- 濃縮果汁飲料 - 5倍に希釈して飲むもの
- 清涼飲料水 - そのまま飲むもの
- 低カロリー清涼飲料水 - カロリーを押さえたもの
[編集] 風味
[編集] 応用
濃縮果汁飲料のものは、水で希釈して飲むほか、牛乳、炭酸水、ウォッカ、焼酎などで割って飲んだり、かき氷やヨーグルトのシロップとしたり、ケーキ、アイスクリーム、ゼリーなどの菓子の風味付け、色つけに使用することもできる。