ラストブロンクス
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ジャンル | 対戦型格闘ゲーム |
対応機種 | アーケード[AC] セガサターン[SS] Windows[Win] プレイステーション2[PS2] |
開発元 | セガ |
発売元 | セガ |
人数 | 1~2人(対戦可) |
メディア | [AC]:Model2 [SS][Win][PS2]:CD-ROM |
発売日 | [AC]:1996年 [SS]:1997年8月1日 [Win]:1998年2月27日 [PS2]:2006年6月29日 |
対象年齢 | CERO:12才以上対象(PS2) |
その他 | Windows版の体験版はこちらのサイトからダウンロード可 |
『ラストブロンクス -東京番外地- 』(LAST BRONX とうきょうばんがいち)は、1996年にセガがアーケードゲームとして発売した3Dタイプの対戦型格闘ゲームである。開発はセガAM3研。アーケード版のハードウェアは『バーチャファイター2』と同じModel2を使用している。
本作は、東京都内のカラーギャング同士の抗争を背景にストーリーを展開する。プレイヤーが使用するキャラクターは各々が実在する格闘用の武器を手にしており、これを駆使して闘いを繰り広げる。また、サブタイトルが示す通り、彼らの闘いの場となるステージも東京都内に実在する場所をモデルとしている。略称は、『ラスブロ』。
目次 |
[編集] 製品ラインナップ
- アーケードゲーム
- 『ラストブロンクス -東京番外地- 』(1996年発売)
- セガサターン用ソフト
- Microsoft Windows用ソフト
- プレイステーション2用ソフト
- セガエイジス2500シリーズ『ラストブロンクス -東京番外地- 』(2006年6月29日発売)
[編集] ゲームシステムの概要
ゲームスタート時、あるいは対戦相手への乱入時に自分が使用したいキャラクターを選択。四方を柵に囲まれたステージの中で、定められた時間内にできる限り相手を叩きのめす。どちらかの体力値が0になった時点でそのラウンドでの勝敗が決まる。制限時間内に両者とも体力が尽きなかった場合は、その時点での体力値残量の優劣により勝敗が決まる。このようにして対戦相手と攻防を繰り返し、規定のラウンド数を先に制した側が勝者となる。各ラウンドの制限時間と先取ラウンド数は、設定により変動。
基本操作は、同社の『バーチャファイター』シリーズや『ファイティングバイパーズ』シリーズとほぼ同様。プレイヤーがキャラクターの操作に使用するインターフェースは、8方向入力タイプのレバーと、ガード(G)・パンチ(P)・キック(K)それぞれに割り振られたボタン3種。レバーと3種のボタンそれぞれの入力を複合させることによって、自身の使用キャラクターに様々な行動を取らせることができる。Pボタンが主に武器による攻撃に割り振られているのが本作の特徴となっているのだが、にもかかわらず、全般的にPボタンによる攻撃の方が「軽く」、Kボタンによる蹴り技の方が「重い」という打撃技の役割の関係は本作でも逆転していない。したがって、『ラスブロ』の武器攻撃は、前述の『バーチャ』や『バイパーズ』における種々のパンチ攻撃と同じポジションにあるものと考えて差し支えない。ちなみに、同じ武器格闘であるナムコの『ソウルキャリバー』シリーズでは、逆に蹴り技の方が発生が早めに設定されている。
[編集] アタックキャンセル
『バーチャファイター』シリーズでは馴染みの深いテクニック「PKキャンセル」を、全ての打撃技に適用したものが本作の「アタックキャンセル」である(以下、ACと表記)。ACは、使用キャラクターが打撃技のモーションに入った瞬間に「レバーをニュートラル(未入力)にして」「ガードボタンを軽く押す」ことで成立する。ACが成立すると、キャラクターはその攻撃を中断し、再度フリーで動ける状態へと戻る。このテクニックを駆使することで、←→PKやPPPKなどの連携打撃技から他の連携打撃技へと絶え間なく繋いで行くことが可能となるのである。また、投げ技へと繋ぐこともできる。空中コンボにも応用が可能で、浮いた相手により段数の多い、高威力のコンボを叩き込みたい時にこのテクニックが威力を発揮する。
[編集] 潜り込み
相手キャラクターが出す下段攻撃以外の全ての技(上段・中段・投げ)を回避しつつ、相手の懐へと接近するための手段。コマンドは「P+K+G」の同時入力。特にコマンド投げが強い本作においては、この「潜り込み」が非常に有効な回避手段となる。一方で、下段判定の技に対しては完全に無力で、相手側はローキック等を重ねることでこちらの潜り込み行動をあっさりと潰すことができる。
[編集] 登場人物
- 工藤 優作(くどう ゆうさく、YUSAKU) 声:矢尾一樹
- ライダーチーム「NEO SOUL」(ネオ・ソウル)を率いる若きリーダー。19歳。かつての「SOUL CREW」(ソウル・クルー)のリーダーの遺志を受け継ぎ、自分のリーダーとしての資質に悩みながらもこの闇試合に参戦。三節棍を巧みに操り、近距離戦も遠距離戦も難なくこなす。武器攻撃だけでなく、「ソニックエルボー」や「ショルダータックル」などの体を使った攻撃も得意。しかし、YUSAKUはサイドストーリー上では主役格でありながらゲームキャラクターとしては扱いが難しく、上級者向けのキャラクターとされている。ホームステージは、羽田空港(東京国際空港)の敷地内の一角「NAKED AIRPORT」。
- 稲垣 丈(いながき じょう、JOE) 声:塩沢兼人
- 体制崩壊後の「SOUL CREW」から離脱し、少数精鋭のライダーチーム「新宿MAD」(しんじゅくマッド)を旗揚げしたかつてのナンバー2格。23歳。JOEの武器はヌンチャク。蹴りや肘での攻撃も得意。発生の早い中段攻撃を持ち、ACを巧みに使いこなすことでスキのない攻めを展開することができる。非常に強力な空中コンボを持つキャラクターとしても知られている。ホームステージは、新宿新都心内の超高層ビルの屋上ステージ「DARK ROOFTOP」。
- 草波 リサ(くさなみ りさ、LISA) 声:冨永みーな
- バンド「ORCHIDS」(オーキッズ)でドラムを担当している女子高生。17歳。その設定を反映してか、ダブルスティック(双カン)を武器に闘う。しかし、闇試合とは縁のなさそうな彼女がなぜ今回の一件に顔を突っ込んだのかは不明。発生の早い浮かせ技、リーチが長く使いやすい下P、よろめき誘発の下段連携技など性能の良い技を数多く持つ。また、LISAは当たり判定が非常に小さく、しゃがんだまま何もしていない状態であれば上段だけでなく中上段判定の打撃も当たらない。ホームステージは、東京港竹芝客船ターミナル内の帆船マストのオブジェがある広場「MOONLIGHT GARDEN」。
- 富家 大(とみいえ ひろし、TOMMY) 声:檜山修之
- 渋谷のボーダーチーム「HELTER SKELTER」(ヘルター・スケルター)のリーダー。18歳。彼が手にしているバトルスティック(棍)はリーチが非常に長く、「破地光激棍」のような思わぬ距離からでも相手に届いてしまう技を複数持っている。近距離戦もそれほど苦手ではなく、「連山崩棍」のようなTOMMY主力の技はむしろ近距離戦用のものが多い。ホームステージは、渋谷109前を思わせるステージ「CROSS STREET」。
- 港野 洋子(こうの ようこ、YOKO) 声:緒方恵美
- サバイバルゲームチーム「G-TROOPS」(ジー・トゥループス)のメンバーで、そのリーダーを兄に持つ。20歳。謎の組織「RED RUM」(レッド・ラム)の襲撃によって重傷を負った兄に代わり、彼女がこの闇試合に参加した。武器は両手の2本のトンファーと数種の足技で、全般的に「細かい」打撃技を得意とする。ヒザやPPP↓Kなど、『バーチャファイター』シリーズでお馴染みの技も持つ(もっとも、ACが対戦の要となる本作においてPPP↓Kを全て出し切るような局面はまず訪れないが)。なお、全キャラクター中彼女のみが、短時間ではあるがゲームクリア後のエンディングムービーが用意されている。そのため、本作の制作陣であるセガAM3研は、YUSAKUではなく彼女を本作の主人公に据えて制作していた可能性が高い。ホームステージは、地下鉄駅の構内ステージ「LUST SUBWAY」。
- 黒澤 透(くろさわ とおる、KUROSAWA) 声:若本規夫
- 遊び人グループ「六本木野獣会」(ろっぽんぎ やじゅうかい)を牛耳る人物。25歳。今回の一件に乗じて、「SOUL CREW」関係チーム全てを潰してしまおうと画策している。手にした木刀と喧嘩技で対戦相手を完膚なきまでに叩きのめす、まさに本作の方向性を具現化したようなキャラクターである。一発当たれば相手の体力をごっそりと奪える、破壊力ある技が魅力。キャラクター性能面では決して高い評価を得ていないが、そのあまりに凄まじいいでたちとカリスマ性に、アーケード版リリース当初はKUROSAWA使用者で溢れ返っていた。ホームステージは、繁華街の地下駐車場ステージ「RADICAL PARKING LOT」。
- 豊饒 梛(ほうじょう なぎ、NAGI) 声:井上喜久子
- レディース「怒愚魔」(ドグマ)のリーダー。23歳。「SOUL CREW」時代のYUSAKUやJOEも、このチームにだけは手を出せなかったという。2本の釵と足技を武器に闘う。投げ技も全て足技である。NAGIの空中コンボは、ACなしでも成立するなど手軽な割には高威力で、対人戦では猛威を振るった。それ以外の面でも基本性能が高く、プレイヤーからはJOEと共に本作のトップ2に位置するキャラクターと謳われる。ホームステージは、レインボーブリッジから程近い場所に位置する埠頭の一角「TEARS BRIDGE」。
- 財目 三郎(ざいもく さぶろう、ZAIMOKU) 声:玄田哲章
- 町内自衛団「葛飾ダンプスターズ」(かつしか - )のリーダー。26歳。元「SOUL CREW」関係者で、現在は実家の建設会社で働く若い衆の面倒を見ている。重いハンマーを軽々と振り回す怪力の持ち主で、その怪力を活かした荒々しい投げ技を得意とする。唯一「当身技」を持つキャラクターでもある。しかし、体の当たり判定が大きい割に武器のリーチが短く、打撃技の応酬では他のキャラクターに一歩譲る。また、下P「しゃがみハンマー」はたとえ当てても相手の中段蹴りで反撃を食う、中段の浮かせ技「サイドハンマー」「アッパーハンマー」は発生フレーム値が立ちP技の「杭打ち」とほぼ同じなど、ZAIMOKUの技には極端な性能のものが多い。ホームステージは、東京臨海副都心~夢の島区域の工事現場の一角「NIGHTMARE ISLAND」。
- レッドアイ(RED EYE) 声:林延年(現神奈延年)
- この闇試合を開催した組織「RED RUM」が送り込んだ刺客で、他のチームの7人を制した者のみにその姿を現す。外見から男性であることは分かるが、それ以外は一切が謎に包まれている。YOKOと同様、トンファーを手にしており、使用する技の構成もYOKOのそれと非常に似通っている。特定のホームステージを持っておらず、プレイヤーが使用するキャラクターのホームステージがRED EYEとの決戦の場となる。
- グレイ or メタル
- 特定条件下でRED EYEを倒すと、さらにその後、プレイヤーの前に姿を現す謎のキャラクター。このグレイ、メタルという名前はあくまでプレイヤー間での通称であり、画面上では自身の使用キャラクターと同じ名前がゲージに表示される。ホームステージは、窓から夜の東京湾が見える塔の一室「BRILLIANT ROOM」。