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リック・ショート(Rick Short/Richard Ryan Short, 1972年12月6日 - )は、アメリカ合衆国イリノイ州出身のプロ野球選手である。現在は東北楽天ゴールデンイーグルスに所属している。
[編集] 略歴
[編集] 経歴
- 2003年にロッテに入団。登録名は「ショート」。背番号は44だった。この年は主に三塁や左翼を守り、127試合に出場し打率.303の好成績をマークしたが、球団の方針で1年で自由契約となった。
- この年、登録上は「ショート」だったが、アナウンス時にポジションと名前である「ショート」を同時に言うのは紛らわしかったため、開幕からホームゲーム、ビジターゲームの全試合でフルネームである「リック・ショート」をアナウンスするようになった。ちなみにマリーンズファンからも「リック・ショート」コールで呼ばれた(彼の場合フルネームでも名前が長くなかったため、「リック・ショート」コールに影響はなかった)。
- 2003年のオールスターゲームでは、あまり守ったことがないのにもかかわらず、その名前から遊撃手部門でたくさんの票を獲得したというエピソードも残している。また、2006年の開幕前、選手層が薄いという楽天のチーム事情から本当に遊撃手を守らせる構想があったが、惜しくも(?)このシーズンは遊撃手を守ることはなかった。
- 2006年から楽天でプレー。登録名は「リック」となる。円熟味さえ感じさせるスプレー打法で活躍し、2006年の最終打率は.314で、イーグルスのチーム内首位打者。リーグ内でも3位に入った。開幕の時の打順は7番だったが、以降、1番や、3、5、6番とさまざまな打順で先発出場している。フェルナンデス、山崎武司の両名が怪我で先発できなかった6月1日には4番での先発出場もあった。2006年の先発出場104試合中、1番が9試合、3番が21試合、4番が1試合、5番が29試合、6番が25試合、7番が19試合だった。一方、守備に関しても状況に応じて以下の通り様々なポジションを任されている(先発出場104試合中、一塁手36試合、二塁手15試合、三塁手11試合、左翼手36試合、指名打者3試合)。オールスターの投票では4月は左翼手を守る事が多かったため外野手としてノミネートされていた。本来はあまり守備が得意ではないフェルナンデスを一塁手、リックを三塁手として起用したいところだが、リックの三塁守備はエラーは少ないものの、スローイングに難があり(例えば、2アウト・ランナー1塁の場面でサードゴロをセオリーのファーストではなく二塁手がカバーに入るよりも前にセカンドに投げてしまうといったプレーがある)、主に一塁手や左翼手を守っている。
[編集] 人物・エピソード
- 高須洋介に顔が似ている。本人もそう思っているらしく、高須のことを「ブラザー」と親しげに呼ぶ。
- 性格は極めて真面目で温厚。寡黙で割合無表情なところも高須と似ている。
- 内野・外野ともにこなせるユーティリティープレイヤーで、ポジションは基本的に二塁手、三塁手、左翼手だが、必要に応じて中堅手、右翼手、一塁手を守ることもある。3A時代には捕手を守ったこともある。ファミリーネームと同じ読みなのでしばしば話のネタにされるショート(遊撃手)については、学生時代には守った経験があるがプロ野球選手としては未経験である。どちらかといえば鈍足で肩も強くない選手であるため、昨今は一塁手、左翼手としての出場が主である。なお、外野を守るときは果敢にダイビングキャッチを試みることもあるが、打球に届かず長打にしてしまうこともある。
- チーム成績が芳しくない状態にあって打撃成績が上位をキープしているのは立派である。2006年は8月までホームラン0本のまま打率3割を維持していたが、ようやく8月12日の西武戦で第1号を放つ。しかも満塁ホームランだった(ちなみに、ロッテ在籍時の2003年は12本)。本人もホームランの少なさを大変気にしていた様である。助っ人外国人である以上はホームランを期待されて当然であるが、ヒットを打つ技術は秀逸である。
- 2006年楽天最終試合で九回裏二死で代打として登場。あと一人塁に出れば今季での引退が決まっていた飯田に回るという場面だった。リックは打席に行く前に『飯田さん、頑張るから』と声を掛けた。その時飯田は彼の一言に涙を堪える事ができず、ネクストバッターズサークルでずっと泣いていた。結果リックはセカンドゴロに終わるが、飯田は「もしこの時自分に打席が回ってきても、おそらく涙で打てなかった」と後の引退会見の場で発言している。
- 2007年3月18日のグッドウィルドームでの西武対楽天戦のケロロ軍曹シリーズのオープン戦では始球式にバッターとして登場した。(ケロロ軍曹のファンではないが。)
[編集] 日本プロ野球年度別成績
年度 |
チーム |
背番号 |
試合 |
打数 |
安打 |
得点 |
二塁打 |
三塁打 |
本塁打 |
打点 |
四死球 |
犠打 |
犠飛 |
盗塁 |
三振 |
打率 |
2003年 |
ロッテ |
44 |
127 |
472 |
143 |
61 |
32 |
0 |
12 |
58 |
45 |
0 |
2 |
3 |
60 |
.302 |
2006年 |
楽天 |
55 |
109 |
401 |
126 |
33 |
27 |
0 |
4 |
34 |
27 |
2 |
1 |
5 |
51 |
.314 |
2007年 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
通算 |
― |
― |
236 |
873 |
269 |
94 |
59 |
0 |
16 |
92 |
72 |
2 |
3 |
8 |
111 |
.308 |
[編集] メジャーリーグ成績
年度 |
チーム |
背番号 |
試合 |
打数 |
安打 |
得点 |
二塁打 |
三塁打 |
本塁打 |
打点 |
四死球 |
犠打 |
犠飛 |
盗塁 |
打率 |
2005年 |
ナショナルズ |
35 |
11 |
15 |
6 |
4 |
2 |
0 |
2 |
4 |
2 |
0 |
0 |
0 |
.400 |
[編集] 関連項目