リーゼ・マイトナー
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リーゼ・マイトナー(Lise Meitner、1878年11月7日 - 1968年10月27日) はオーストリアの物理学者である。放射線、核物理学の研究を行った。
ウィーンのユダヤ系の家庭に生まれた。ウィーン大学のルートヴィッヒ・ボルツマンの元で学んだ。学位を得た後、1907年からベルリンでマックス・プランクとオットー・ハーンと研究を始めた。オットー・ハーンとは30年間に渡り協同研究をおこなった。マイトナーの物理的知識とハーンの化学的知識とが補完しあって放射線の研究に成果をあげた。
1923年、オージェ効果を発見した。
オーストリアがドイツに併合されると、マイトナーはスウェーデンに移らざるをえなくなった。ストックホルムのマンネ・シーグバーンのもとで原子物理の研究を続けたが、シーグバーンの女性に対する偏見のためもあって、充分な援助は受けられなかった。 1938年ストックホルムでオットー・ハーンから核分裂の証拠を示す実験結果を知らされた。これが核分裂の連鎖反応による核兵器の開発につながっていく。 1944年ハーンはノーベル化学賞を受賞したが、マイトナーは受賞を逸しているが核分裂の発見者とされている。
1968年、イギリスで他界した。1982年に発見された109番の元素はマイトナーを記念してマイトネリウムと命名された。
[編集] 評伝
- シャルロッテ・ケルナー 『核分裂を発見した人―リーゼ・マイトナーの生涯』
- 平野卿子訳、晶文社、1990年、ISBN 4794958870。
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