レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ
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レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ (RAGE OF THE DRAGONS) は、エヴォガエンターテイメントが(中心となって)プレイモア(当時。現:SNKプレイモア)のアーケード筐体:Multi Video System (MVS) 向けに製作された2D対戦型格闘ゲームである。開発はエヴォガエンターテイメントからの許諾を受けたノイズファクトリーが、販売はプレイモアがそれぞれ担当した。2002年6月6日に稼動。
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[編集] 概要
[編集] 発売に至るまでの経緯
SNKが倒産した後、SNKの知的財産権を取得したプレイモアが、アーケード版のネオジオ格闘ゲームの開発・販売等に初めて関わった作品。そして、プレイモアにネオジオの版権が移行された後の、最初の他社からのネオジオ格闘ゲームでもある。
本作の開発・販売の中心であるエヴォガエンターテイメントは当初、現在は倒産しているテクノスジャパンの作品である「ダブルドラゴン」を元に新作を造ろうとしたが、版権の買収に失敗してしまう。そこで、「ダブルドラゴン」のオマージュとして製作されたのが本作である。尚、一部のキャラクターはダブルドラゴンと同様の名前のまま登場している。
[編集] ゲーム内容
※コマンドは、キャラが右向き時の場合。
- 対戦形式はタッグバトルである。ネオジオにも以前あったタッグバトル形式の格闘ゲーム「風雲スーパータッグバトル」とは違い、タッグを組んでいるキャラ2名が両方ともK.O.されるまでプレイが続く。
- まず、ボタン配置はAとCが弱・強パンチ、BとDが弱・強キックである。基本的な特殊操作として、(レバー)右×2でダッシュ、左×2でバックステップをする。AB同時押しで避け、右+AB同時押しで前転の緊急回避、左+AB同時押しで後転の緊急回避をする。ジャンプは、小・中・大の3種類がある。小はレバーを一瞬上にいれる。中はレバーを下に入れた瞬間に一瞬レバーを上に入れるか、ダッシュ中に一瞬レバーを上に入れる。大はレバーを下に入れた瞬間に一瞬レバーを上に入れるか、ダッシュ中にレバーを上に入れる。それと、ダウン直前にAB同時押しすると、受身ができる。手の投げ動作中にCを押すと、投げ抜けができる。ガード中にCD同時押しで、ガードキャンセルぶっ飛ばし攻撃ができるが、パワーゲージを1本消費するので注意。あと、スタートボタンで挑発ができる。
- 2つの基本的なシステムを紹介。1つはタッグゲージがMAXになっていると、BC同時押しで控えのキャラと交代することができる(もちろん、どちらか一方がK.O.されている場合はできない)。交代時は、キャラが走って相手を攻撃しながら登場してくる。交代時の速度はとても速く、しっかり見ていないと相手の交代時の攻撃を喰らってしまうこともしばしある。もう1つは、CD同時押しすると、コンビネーションという攻撃ができる。格闘ゲームにあるぶっ飛ばし攻撃のような初撃があたると、パワーゲージの上にコマンドが表示されるので、その表示どおりに左から順に押していくと決まる(例:BAACD。この場合はBから右へ順に押していく)。少々ゆっくり確実に押していけるので使いやすいが、押し間違えたり、次のボタンを押すまでの間が空き過ぎたりすると、コンビネーションは失敗してしまう。また、初撃の動作が遅めなので、使いどころが限られてくることも。ちなみにコンビネーションには、地上版と空中版がある。空中版は、相手が空中にいたときに初撃があたると発動するが、押すボタンが地上版とは異なる。
- 少し上級向けと思われる残り2つのシステムを紹介。1つは、控えのキャラとの協力攻撃ができるデュプレックス。使用中のキャラが相手に突進していき、初撃がヒットするとロックして連続攻撃を浴びせた後、控えのキャラが出てくる。控えのキャラが出てくる時点でパワーゲージが余っていれば、追加入力することによって、控えのキャラも攻撃できる。始動するときは、パワーゲージが1本以上かつタッグゲージがMAXになっていることを条件に、下、右下、右+BC同時押しと入力する。ちなみに、空中ガード不能である。もう1つは、サレンダーというシステム。これは、使用中のキャラを故意にギブアップさせて、その時の体力を控えのキャラに譲るというシステム。得意なキャラがK.O.されそうになっているときに、不得意なキャラの体力を譲って逆転を狙うといった手などに使えるが、一歩間違えればミスにもつながるので、使いどころが難しいシステムと言える。ちなみに、通常は3本しかないパワーゲージの最大値を5本まで増やす。ABCD同時押しした後、押し続ければ発動する。
- その他として、ステージの両端の壁にダウン状態の相手を当てると、やられ判定を残した状態で跳ね返り、追撃が可能になる。ただし、壁を壊すと、追撃が不可能になる。壁が壊れると、ステージがやや広くなるが、広くなった後の新たに出てくる壁は壊すことができないようになっている(ダウン状態の相手にやられ判定を残せないのはもちろん、追撃もできない)。
[編集] 稼動開始後
『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズのような操作性であったためか、特に昔からの格闘ゲームファンのユーザーから見れば古臭くて爽快感があるとは言い難いような仕様であったためと、格闘ゲームブームが去ってしまった後だったためか、早々と各ゲームセンターから姿を消すこととなった。しかしながら、ネオジオでのシリーズの続編でもない完全新作がプレイモア系列の会社以外からリリースされたこと(販売や開発は(当時のことではあるが)プレイモア系列であったが。)は、十分に評価される点であると言える。また、最近になって、この作品に対する評価の見方が、一部のユーザーを中心に変わりつつある。
[編集] 家庭用ゲーム機移植作品
- ネオジオ(ROMカセット)版 (プレイモア、2002年9月26日発売、税込41,790円)
- アーケード基板:MVSと同一規格のマシンへの移植。そのまま移植されたものなので、大まかな点に違いはないが、家庭用版ということで、少々の変更・追加がなされている。ちなみに、本作の移植はこのマシンのみである。また、リリース当時はあまりヒットしなかったこともあってが、今ではいわゆるレアロムのひとつになっており、現在の中古市場における価格は、当時の販売価格を軽く越えてしまっている。
[編集] 登場キャラクター
登場キャラクターのうち3人に、「ダブルドラゴン」のキャラの名前が一部使われている。また、一部キャラの()内は本名を示す。
ちなみにプレイヤーセレクト上のカーソルはそれぞれ、1Pがビリー、2Pがジミー、となっている。
- ジミー (ジェームス・ルイス)
- ビリー (ウィリアム・ルイス)
- リン・ベーカー
- ソニア・ロマネンコ
- アニー・ムラカミ
- ラデル
- ぺぺ (ホセ・ロドリゲス)
- プパ・サルゲイロ
- カン・ジャエモ
- Mr.ジョーンズ (ジョーンズ・ディモン)
- オニ
- カサンドラ
- エリアス・パトリック
- アリス・キャロル
- アブボ・ラオ 〔乱入ボス・隠しキャラ〕
- ヨハン 〔最終ボス・CPU専用キャラ〕
[編集] 小ネタ
本作のキャラクターである、ジミー、リン、Mr.ジョーンズ、エリアス、の4人は、他社のネオジオ格闘ゲーム最後の作品である「新・豪血寺一族 闘婚 ~Matrimelee~」に隠しキャラクターとして登場する(もちろん、隠しコマンドを入れなければ使えるようにはならない)。しかし、「新・豪血寺一族 闘婚 ~Matrimelee~」はアトラス社の作品なので、普通ならこの4キャラが登場することは不可能なはずだが、両作品の販売担当であるSNKプレイモア、開発担当のノイズファクトリーの両社を通して実現されたものだと思われる。ちなみに、エンディングは4キャラとも同じである。
また、余談ではあるがキャラクターデザインは開発スタッフが当人の同人誌をそろえるほどのファンあったことが理由でオファーを決定したそうである。アーケードゲームの世界では珍しく、デザイナー本人による同人誌の発行もすんなりOKが出たとされている。
[編集] 関連項目
- ダブルドラゴンシリーズ
- テクノスジャパン
- エヴォガエンターテイメント
- ノイズファクトリー
- SNKプレイモア
- SNKネオジオ
- 豪血寺一族
- 対戦型格闘ゲーム一覧
[編集] 外部リンク
- 「レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ」公式サイト
- 途中から、販売元がSNKネオジオ(旧:サン・アミューズメント)、サイト運営がSNKプレイモア、と変わっている。ストーリーはこちらで閲覧できる。
- ノイズファクトリー:「レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ」キャラコマンド表
- 本作のキャラの一部のコマンドが掲載されている(ただし、隠しキャラのアブボを除く)。
- れじ道
- レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズの攻略・設置店の情報が掲載されている。
- ますらおよ!!ぢぇえぃッ!!
- 旧SNKファンサイト。ネオジオつながりということで、本作のことが掲載されている。レビューだけである。
- マイナー格ゲー
- マイナーな格闘ゲームのキャラのグラフィックが掲載。一部のゲームには名前も一緒に掲載されている。本作のキャラは、ボスも含めて全員載っている。
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