レイセオン
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レイセオン(Raytheon Company,NYSE:RTN)は、アメリカ合衆国の軍需製品メーカー。本社はマサチューセッツ州ウォルサム。世界第1位のミサイルメーカー。年2兆円を超える売上の殆どは、軍やアメリカ合衆国政府向けの製品である。また、電子レンジを発明したことでも有名。社員数7万人強のうち4万人近くが技術者である。
[編集] 歴史
1922年にローレンス・K・マーシャル、ヴァンネヴァー・ブッシュ、チャールズ・G・スミスがマサチューセッツ州ケンブリッジで American Appliance Company として創業。最初の製品はレイセオンという名の整流器で、その後1925年に社名をレイセオンに変更した。 (RaytheonのRayは古代フランス語のraiで"光のビーム"、theonはギリシャ語で"神々より”)
第二次世界大戦中、レイセオンはマグネトロンを開発し、これによりレーダーが完成する。このとき(1945年)、技師であったパーシー・スペンサー(Percy Spencer)がマグネトロンが調理に使用できることを発見し、電子レンジ開発のきっかけとなった。なお、電子レンジは白物家電子会社のAmana社で生産されていたが、レイセオンはエアコンメーカーのGoodmanにAmana社を売却、電子レンジを含め白物家電から撤退している。
1980年にビーチクラフト機の「ビーチ・エアクラフト・コーポレーション」社を傘下に収める。
1991年、湾岸戦争でパトリオットミサイルの映像が世界中に流れ、レイセオンという名が一躍有名になる。
1993年8月にはブリティッシュエアロスペース(BAe)から中型機ホーカー・ジェット機の製品ラインを買収し、「レイセオン・コーポレート・ジェッツ」とする。1994年9月に「ビーチ・エアクラフト・コーポレーション」と「レイセオン・コーポレート・ジェッツ」は合併し、子会社「レイセオン・エアクラフト・カンパニー」とした
1995年~1997年には、E-Systems社、Anschuetz社、Chrysler Technologies社、テキサス・インスツルメンツ社防衛部門、そしてヒューズ・エアクラフト(Hughes Aircraft)社を吸収。
2006年12月21日、ビーチクラフト及びホーカーシリーズの民間航空機部門をゴールドマン・サックス系GSキャピタルパートナーズおよびオネックスパートナーズへ売却すると発表し2007年3月26日に33億ドルでの売却を完了した。
[編集] 主な製品
2005年現在、ミサイル防衛、情報・監視・偵察、精密攻撃、そして本土防衛関連の数多くの軍/政府系ミッションを手がけ、その多くは秘である。
主力製品はミサイルのほかに、戦闘システム(BCS)、電子戦システム、海上統合システム、統合空中システム、指揮統制システム、ネットセンサー、無人機/地上システム、宇宙戦略システム、各種ソナー、指向性エネルギー兵器、ナノエレクトロニクス、フリア、合成開口レーダー、赤外線装置などがあり、連邦政府ITソリューション、地理空間システムなどがあり、DCGS,NPOESS、ロスアラモス研究所、陸軍研究所、と、多種多様におよぶ。
ミサイル
- MIM-104 パトリオット
- BGM-109 トマホーク
- AIM-7 スパロー
- RIM-7 シースパロー
- AIM-9 サイドワインダー
- MIM-23 ホーク
- AGM-65 マベリック
- BGM-71 TOW
- FIM-92 スティンガー
- RIM-116 RAM
- AIM-120 AMRAAM
- AGM-154 JSOW
- Mk.15 ファランクス 近接防御火器システム (CIWS)
レーダー等その他
- APG-63 レーダー(F15搭載)
- RC4558オペアンプ