ロン・チェイニー・ジュニア
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ロン・チェイニー・ジュニア(Lon Chaney Jr. 1906年2月10日 - 1973年7月12日)はアメリカ合衆国オクラホマ州出身の俳優。サイレント映画時代の伝説的な名優であったロン・チェイニーの息子。1940年代に怪奇映画のトップスターとして活躍した。特に狼男役が有名。
- 1930年の父ロン・チェイニー死後に映画界入り。1930年代は主に脇役として過ごした。1941年に怪奇映画の名門ユニバーサル映画制作の『狼男』に狼男ローレンス・ダルボット役で主演した。この作品はヒットし、当時既に老齢に達していた1930年代のスターであるボリス・カーロフ、ベラ・ルゴシに代わり、一躍怪奇映画のトップスターとなった。
- それ以後、1940年代には狼男を最大の当たり役として5度演じた他、ミイラ男カリスを3度、フランケンシュタインモンスター、ドラキュラを各1度演じ、この時代を代表する怪奇スターとして活躍した。この全盛期が第二次世界大戦と重なったため、代表作の多くが日本では劇場公開されなかった。1940年代末には怪奇映画ブームは終焉を迎え、チェイニー・ジュニアもまたスターの座から降りることとなった。
- その後も晩年までホラーや西部劇等に出演した。1950年代末には戦後の怪奇映画ブームが起きるが、大きな活躍を残すことはなかった。晩年はアルコール依存症に苦しんだとされる。巨体を利しての怪物役は迫力があったが、父親や、カーロフ、ルゴシのような風格・技量は恵まれなかったとの評価が一般的である。尚、『狼男』以降の作品の多くには「ジュニア」は外し「ロン・チェイニー」として出演している。現在は父親と区別するため、一般に「ジュニア」をつけて表記されている。
[編集] 主な出演映画
- 狼男(1941年 狼男役)
- フランケンシュタインの幽霊(1942年 フランケンシュタインモンスター役)
- ミイラの墓場(1942年 ミイラ男役)
- フランケンシュタインと狼男(1943年 狼男役)
- 夜の悪魔(1943年 ドラキュラ役。正確にはドラキュラの息子)
- 執念のミイラ(1944年 ミイラ男役)
- フランケンシュタインの館(1944年 狼男役)
- The Mummy's Curse(1944年 ミイラ男役)
- ドラキュラとせむし女 (1945年 狼男役)
- 凸凹フランケンシュタインの巻(1948年 狼男役)
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