ロン・チェイニー
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ロン・チェイニー(Lon Chaney, Sr.,1883年4月1日 - 1930年8月26日)はアメリカ合衆国コロラド州出身の俳優。秀逸なメイクアップと卓越した演技力で「千の顔を持つ男(MAN OF A THOUSAND FACES)」と称された、サイレント映画時代の伝説的な名優、怪奇スター。息子のロン・チェイニー・ジュニアも1940年代に怪奇スターとして活躍した。
- 両親が聾唖者だったことから、幼くしてパントマイムを覚えたといわれる。演劇活動を経て1912年に映画界入り。メイクアップや扮装研究に没頭し、「千の顔を持つ男」の異名を取る個性派スターとなった。特に『ノートルダムのせむし男』(1923年)『オペラの怪人』(1925年)での恐ろしいメイクと怪演が名高く、後のホラー映画に多大な影響を与えた。そのため怪奇俳優として伝説的な存在になったが、演技派の性格俳優としての評価も高い。
- 1930年、トーキー映画の時代を迎え、『魔人ドラキュラ』の主演が内定していたが、咽頭ガンのため急逝した。1930年代の怪奇映画ブーム目前での死であり、その存在が更に伝説化されることとなった。1957年にはジェームズ・キャグニー主演『千の顔を持つ男』でその生涯が映画化されている。
- ホラー映画史上では、チェイニー死後の1930年代に活躍したベラ・ルゴシ、ボリス・カーロフと共に戦前の三大スターとして位置づけられる。息子のロン・チェイニー・ジュニアも俳優となり、1940年代には狼男やミイラ男の役で怪奇スターとなるが、演技力では父に及ばなかったという評価が定着している。
[編集] 主な出演作品
- 仮面の人 (1919)
- オリバー・トウィスト (1922)
- ノートルダムのせむし男 (1923)
- 魔人 (1925)
- オペラの怪人 (1925)
- 知られぬ人 (1927)
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