ドラキュラ
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ドラキュラは、イギリス時代のアイルランド人の作家、ブラム・ストーカーの恐怖小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場する男性吸血鬼(バンパイア)。転じて、現在の日本では吸血鬼一般を表す言葉としてもしばしば使われる。ドラキュラはルーマニア語で「ドラゴンの子供」「悪魔の子」という意味を表す。
目次 |
[編集] 概要・特色
処女の生き血を好む。太陽光線、ニンニクなどに弱いと造形、設定されている。ドラキュラとはあくまでも小説に登場するキャストの名前であるが、本小説が余りにも有名になったため、現在ではドラキュラと言えば吸血鬼の意味として使われることが多い。
ドラキュラのモデルはヴラド・ツェペシュとされているが、実際のところ使われているのはドラキュラというヴラドのもうひとつの渾名と、出身地が現在のルーマニアという点だけである。例えばヴラドはワラキア人であり、公爵(prince)だが、この小説におけるドラキュラはトランシルヴァニアのセーケイ人で伯爵(count)である。ドラキュラはヴラドと名乗ってはいないし、自分の過去についての語るときもヴラド公を連想させる逸話は無い。ストーカーは43歳のとき、アーヴィングの家でハンガリーのブダペスト大学の東洋言語学教授アルミニウス・ヴァーンベーリに出会い、その後ある図書館で『ワラキア公国とモルダヴィア公国の物語』に「串刺し公」ヴラド・ツェペシュの記述をみつけたのであるが、ヴラドの名前と簡単な逸話以外ほとんど知らなかったと思われる。
むしろ、小説中のドラキュラの造形にはアイルランドの吸血鬼伝説及び、ドラキュラ以前に書かれた同じアイルランド人作家でカレッジの先輩であるシェリダン・レ・ファニュの『カーミラ』(1872年)の影響が強く見られる。実際、ドラキュラの初稿では舞台はトランシルヴァニアではなくカーミラと同じオーストリアだった。貴族的な美形、棺桶で眠るなどもカーミラと共通で以降の吸血鬼作品のモデルになった。
後に『魔人ドラキュラ』(Dracula、1931年)をはじめとして、多くのドラキュラを扱った映画が製作されており、その中でヴラド・ツェペシュをイメージした設定が付け加えられていったため、ヴラド・ツェペシュ=ドラキュラが定着したものと思われる。
ヴラドの故郷ルーマニアでは1989年に共産主義政権が終わるまで、ほとんどドラキュラのことは知られていなかったといわれており、ドラキュラのモデルがヴラドとされていることについては、観光に利用できると喜ぶ反面、郷土の英雄を怪物扱いしていると複雑な気持ちを抱いていると伝えられている。
[編集] 『吸血鬼ドラキュラ』
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] プロット
新たな獲物を求めて密かにイギリスに侵入したドラキュラ伯爵に対して、その存在に気づき、これを退治しようとするヴァン・ヘルシング教授とその仲間たちの戦いを描く。物語は全て日記や手紙による記述で構成されている。淡々とした記述で徐々に恐怖を盛り上げてゆくゴシックホラーの典型であるが、今日的な感覚ではそのクライマックスは地味であっけない。
[編集] 登場人物
- ドラキュラ伯爵
- トランシルヴァニアはカルパチア山脈に居を構える貴族。
- 彼がロンドンのカーファックス屋敷を買いたい、とホーキンズに依頼した事から物語が始まる。
- ジョナサン・ハーカー
- ホーキンズの代理としてカーファックス屋敷の買い入れを依頼された新人弁理士。
- ドラキュラ城に囚われるも脱出。しかしその恐怖体験から寝込んでしまう。
- ミナ・ハーカー
- ジョナサン・ハーカーの婚約者。旧姓マリー。
- 物語後半で伯爵に襲われるも、それを逆手にとり逆に伯爵を追い詰める。
- ルーシー・ウェステンラ
- ホイットビーで心臓の弱い母親と住んでいる女性。ミナの友人。
- 夢遊病であり、それが元で伯爵に吸血されてしまう。
- エイブラハム・(ヴァン・)ヘルシング教授
- ジャック・セワードの恩師。ルーシーの治療を頼まれたアムステルダム大学名誉教授。
- ルーシーの衰弱が吸血鬼の仕業だといち早く気づき、対策を練る。
- アーサー・ホルムウッド(ゴダルミング卿)
- ルーシーの婚約者の男爵。セワード、モリスとは親友。
- ジャック・セワード
- カーファックス屋敷の近所の精神病院の院長。ルーシーの求婚者の一人。
- ルーシーの病変に恩師ヴァン・ヘルシング教授の助けを求める。
- キンシー・モリス
- 北米テキサス州の大地主。ルーシーの求婚者の一人。
- レンフィールド
- セワードが院長を務める精神病院の患者。他の動物(蝿、蜘蛛、鳥など)を食べ、その命を奪うという独自の観点を持つ。
[編集] 映画
- 魔人ドラキュラ(Dracula、1931年)ベラ・ルゴシ
- 吸血鬼ドラキュラ(DRACULA、1958年)クリストファー・リー
- ドラキュラ(1992年)(Bram Stoker's Dracula、1992年)ゲイリー・オールドマン
- ヴァン・ヘルシング(VAN HELSING、2004年)リチャード・ロクスバーグ
人名は、ドラキュラを演じた役者名
[編集] 関連項目
- 吸血鬼
- 悪魔城ドラキュラ
- バンパイアハンターD
- HELLSING
- みんなのうた(ドラキュラのうた
- かりん(主人公及びその家族がヴァンパイア一家)
- 怪物くん(口癖が「ざます」で、血液の代わりにトマトジュースを愛飲している)
- 『天動説』山田正紀
[編集] ドラキュラの登場する作品
「吸血鬼を題材にした作品の一覧」も参照。