ヴァルデマー2世 (デンマーク王)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴァルデマー2世(ヴァルデマール2世とも、Valdemar II ,1170年 - 1241年)はデンマーク王(在位:1202年 - 1241年)。先々代ヴァルデマー大王の次男。エストニア征服など、一時はバルト海南部を制覇したが、晩年に多くの領土を失った。
[編集] 生涯
1170年、ヴァルデマー大王(ヴァルデマー1世)の次男として生まれた。1182年に父が死去すると、長男のクヌーズ4世(カヌート)がデンマーク王位を継いだ。1202年の兄の没後、当時スレースヴィ(シュレスヴィヒ)公 であったヴァルデマーが、デンマーク国王ヴァルデマー2世として即位した。
その治世の前半は好調であった。北ドイツに勢力を伸ばしつつ、1219年にはエストニアの征服を果たし、バルト海南部における覇権を握った。しかし、当時バルト海沿岸への勢力拡大を図っていたドイツ勢力は、こうしたデンマークの台頭を望まなかった。
1223年、シュヴェリン伯ハインリヒによって、ヴァルデマーとその息子(次王のエーリク4世)は誘拐され、3年にわたって幽閉される。結局、ヴァルデマーは解放の条件として多くの領土喪失を受け入れるとともに、ハンザ同盟に対して広範な商業特権を認めざるを得なかった。残された海外領土は、ドイツ北東部に位置するリューゲン島とエストニアを残すのみとなった。解放されたヴァルデマールは、その後失地回復を図って北ドイツを攻めるも、多大な兵の犠牲を招いたのみであった。
1241年、ヴァルデマー2世は、71歳で死去した。
[編集] デンマーク国旗をめぐる物語
デンマークの国旗については、以下のような物語が残されている。
エストニアとの戦争に際して、赤地に白い十字を描いた旗が舞い降りた。その旗を掲げればデンマークは勝利するという神のお告げに従い、デンマークはエストニアに勝利した。
しかしながら、実際にデンマーク国旗のデザインが確認されるのは、14世紀半ばにおけるヴァルデマー4世の時代である。
|
|
|