ヴラド・ペルルミュテール

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ヴラド・ペルルミュテール（Vlado Perlemuter, 1904年5月26日 - 2002年9月4日）はフランスのピアニストである。20世紀の代表的なフランスの作曲家、モーリス・ラヴェルに師事した事もある。

[編集] 経歴

1904年、旧ソ連領のコヴノ（コブノ）、現在はリトアニア領のカウナスに生まれる。10歳でフランスに移住し、21歳の時にフランス国籍を取得。

成長するに従いピアノの才能を現し始め、郷土の先輩、モーリッツ・モシュコフスキーに師事した。その後、アルフレッド・コルトーを尊敬し始めた。はじめ「ショパン弾き」と呼ばれたが1925年から1927年頃、ラヴェルの目の前にて、ラヴェルが作曲したピアノ曲殆ど全てを弾いたのである。その時に、ラヴェル本人から譜面不表記の、裏の記号、指示等全てを作曲者本人から教え込まれた。ラヴェルはピアニストに細かい指示を出すことがあまりないといわれるので、かなり珍しいことと判断される。それ故に、ペルルミュテールが「ラヴェル弾き」と言われる。1950年代（モノラル）と1970年代（ステレオ）の2度にわたり、ラヴェルの全ピアノ曲をレコーディングしている（前者は2曲の協奏曲も含む）。ショパンやラヴェルのほかにも、ベートーヴェンやシューマンなど、ドイツ音楽も得意とした。1966年初来日、日本人の弟子（井上二葉、浜口奈々など）が多いことでも知られる。2002年9月4日、パリの病院にて死去。

[編集] 彼のラヴェルに関する音楽的な地位

彼のラヴェル弾きとして果たした役割は非常に大きい。それはやはり、作曲者ラヴェル本人から曲についての様々な作曲者の意図や曲についての解釈の仕方を完全に体得している事が一番の理由である。彼自身もラヴェルから教えてもらった、彼の作品に込められた意図や表現についてインタビューに答えたり（オーケストラ編曲されていない『夜のガスパール』ですら、ラヴェルはオーケストラの楽器の響きを想定していたことなども語られている）、自ら著作『ラヴェルによるラヴェル』を刊行している。

またラヴェルが1937年に死去した後、著作権の関係で、50年及び戦時加算の10年で合計60年間、つまり1937年から約60年後の1997年頃までラヴェルの楽譜は非常に高価であった（一例として1991年当時の日本円価格で輸入版の『水の戯れ』一曲の楽譜が2,800円を要した）。著作権が消滅し、ラヴェルの楽譜の価格が非常に安くなったとき、楽譜の編集者達は曲についての細かい確認作業をする際、ペルルミュテールの演奏を参考にした。音楽の友社から出版されているラヴェルのピアノ曲集に至っては、ペルルミューテル自身が校訂したものを採用している。それほど、彼の演奏・解釈自体が作曲者の意図を忠実に表現しているという信用度が非常に高いのである。

結論としてラヴェルの演奏における教科書的な存在であるといっても過言ではない。