三国志平話
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三国志平話(さんごくしへいわ)とは、宋代の話芸である説話の話本。元代に刊行された『全相平話五種』に収められている『新刊全相平話三國志』のことである。上・中・下3巻。『三国志演義』のもとになった故事を多く含んでいる。
内容は司馬仲相の冥土での裁判で始まり諸葛亮の病死で終わっている。冒頭は後漢の光武帝の時の書生であった司馬仲相が天帝の命により冥土で裁判を行うことになり、天帝は司馬仲相の判決をもとに漢王朝の建国の功臣でありながら呂后の謀略で殺害された韓信・彭越・英布の3人をそれぞれ曹操・劉備・孫権に転生させ、さらに加害者の劉邦・呂后を献帝と伏皇后に、冤罪であることを証言した蒯徹を諸葛亮に、裁判を取り仕切った司馬仲相を司馬懿に転生させる勅命を下したというものである。このように『三国志演義』に比べて民間伝承を色濃く残している。 ただしこの平話には関羽の架空の息子関索のエピソードが挿入されておらず(南蛮征伐の項で名前が一度だけ登場する)、その元となった民間伝承いわゆる『花関索伝』が平話より後に成立し『三国志演義』にとりこまれたものと研究者は推測している。
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国会図書館蔵内閣文庫版
[編集] 関連書
- 二階堂善弘、中川諭 訳『三国志平話』光栄 ISBN 4877196781