中村覚

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中村覚（なかむらさとる、安政元年2月20日 (旧暦)(1854年3月18日) - 大正14年(1925年)1月29日）は、日本の陸軍軍人。関東都督、東京衛戍総督、侍従武官長を歴任し、階級は陸軍大将勲一等功二級男爵に昇る。

彦根藩士中村千太夫次男として生まれる。明治5年7月陸軍教導団に入り、翌年11月卒業し陸軍伍長に任官され、明治7年2月陸軍士官学校に入り、10月少尉試補に進む。翌年1月少尉に任官され、明治10年の西南戦争では別働第2旅団に編入され出征する。同年5月に中尉に進み同10月帰還する。明治12年3月から参謀本部管西局員、同14年4月大尉に進み、同19年5月に任少佐・歩兵第10連隊大隊長に就任する。明治20年4月参謀本部第2局員に移り、明治21年5月第1師団参謀に任命され。明治22年12月の陸軍大学校教官の後、明治24年4月第5師団参謀を経て明治24年12月19日皇太子嘉仁親王（後の大正天皇）の東宮武官を拝命する。明治25年9月の中佐進級を経て明治27年8月30日に大本営侍従武官を兼務し、同年12月から大佐に進級し東宮武官兼侍従武官に移る。明治30年4月14日歩兵第46連隊長に就任する。明治31年10月東部都督部参謀長に移る。

明治32年9月陸軍少将に進級し明治33年4月台湾総督府陸軍部幕僚参謀長、明治35年3月歩兵第2旅団長に就任する。この時日露戦争が起こり、明治37年3月から出征する。第3軍に編入された中村の部隊は南山の戦闘に参加後、旅順攻略にあたる事となる。旅順攻略戦は既に2回の総攻撃を仕掛けていたが未だ陥落せず、次の第3次総攻撃に大きな期待が集まっていた。11月26日に総攻撃を行う事が決定し、中村は別働隊として奇襲を担当した。無謀とも云えるこの作戦の指揮を取ることになった中村は、部下に「大勢の兵士が死んでいる。そろそろ上（将官階級）の者が死なないと申し訳が立たないではないか」と述べたと云われてる。編制された特別隊は3000人の規模で要塞に対し夜襲を行う事となった。所属兵士全員が白襷を掛けている事からこの部隊は後に｢白襷隊｣と呼ばれる。出撃に対し中村は「若しわし倒れたら、指揮は渡辺大佐に代われ、渡辺が倒れたら大久保中佐が指揮を取れ、各部隊とも順次変わる者を決めておけ。ゆえなく後方に留まったり、隊伍を離れる者があれば斬れ！」と云う壮絶な告示を行っている。26日午前8時から攻撃を開始し、午後には歩兵部隊の突撃が始まったが、通常攻撃では陥落させることが出来なかった。夜になり中村の部隊が奇襲を行ったがロシア軍の反撃により全滅した。この戦闘で中村も負傷し内地に送られる。帰還後明治38年4月教育総監部参謀長仰付、同7月中将に進級した。明治40年1月第15師団長を親補され、同9月歴戦の功により男爵の爵位を授けられ、華族に列せられる。明治41年12月19日岡沢精の後を受け第2代侍従武官長に就任する。大正2年8月東京衛戍総督に移り、大正3年9月関東都督に転出する。大正4年1月陸軍大将に進級し大正6年7月軍事参議官に移る。同8年2月後備役編入となる。大正14年1月29日薨去。薨去に当たり勲一等旭日桐花大綬章を追贈された。