仙台市営地下鉄
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仙台市営地下鉄(せんだいしえいちかてつ。英称:Sendai Subway。英略称:SS)は、仙台市交通局高速電車部が運営する地下鉄である。なお仙台市交通局は仙台市地下鉄と呼称しており、車内放送の案内は全て仙台市地下鉄で統一されている。正式名称は仙台市高速鉄道であり、公文書ではこれが使用されている。
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[編集] 歴史
仙台市が高度成長期を迎えると、隣接する泉市(現・泉区)で急速な宅地開発(ドーナツ化現象)が進行し、市中心部の通勤客を輸送する市電の輸送力に限界が訪れ、また軌道交通網が脆弱なことから、郊外からの自動車の流入により、市電と自動車の競合も問題であった。これらの問題を解決するために計画されたのが、市内を南北に縦断し、泉方面に至る地下鉄計画である。なお、市電は1976年(昭和51年)3月末に廃止された。
石油ショックが発生するなど社会情勢の変化はあったが、1975年(昭和50年)に運輸省の仙台地方陸上交通審議会で計画線が認可された。1978年(昭和53年)に地下鉄の免許申請が行われ、1980年(昭和55年)5月30日に免許が交付され、1981年(昭和56年)に狭軌架空線方式の南北線が着工された。
工事では、地上区間や山岳トンネル区間の多い区間が日本鉄道建設公団(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)に委託された。これは一時的な地下鉄建設のために仙台市が人員補充を避けるための方策であったが、公団も上越新幹線で発展させたNATM工法を応用するなど、経済的な路線建築が実現した。
1987年(昭和62年)7月15日、富沢~八乙女間の全線13.6kmが開通した。八乙女駅ではバスとの乗り継ぎ施設が併設され、その他の駅でもバスとの乗り継ぎ運賃が設定された。1992年(平成4年)7月15日には泉中央駅へ1駅延伸し(総延長14.8km)、南北線計画は完了した。
仙台市では2015年(平成27年)を開業予定として、東西線(動物公園~荒井間13.9km)事業を進めている。東西線はリニアモーターを採用、トンネル径の小さい「ミニ地下鉄」方式で建設される。
[編集] 路線
[編集] 車両
[編集] 運賃
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。対キロ区間制。2004年12月19日現在。
区間 | 運賃(円) | 仙台駅を起点(4・5区は除く)とした運賃境界 |
1区 | 200 | 北四番丁・河原町まで |
2区 | 240 | 北仙台~黒松・長町一丁目~長町南 |
3区 | 290 | 八乙女・泉中央・富沢 |
4区 | 320 | 泉中央から五橋~長町一丁目まで、富沢から北仙台~旭ヶ丘まで |
5区 | 350 | 泉中央から長町~富沢間まで、富沢から黒松~泉中央まで |
普通運賃、所要時間については、こちらも参照。
[編集] 乗車券
- プリペイドカード:バス・地下鉄で使用できる。詳細は各記事を参照のこと。
- 一日乗車券
- 地下鉄一日乗車券(大人820円、小児410円。全日有効)
- 地下鉄日曜・休日一日乗車券(大人600円、小児300円。日曜・休日のみ有効)
- 仙台まるごとパス
- 仙台周辺の鉄道・バスが自由に乗り降りできる。
- 定期乗車券
- 現金で購入した乗車券に限り、自動券売機に挿入すると払戻しされる。
- チケットフリー式
- 日本全国の地下鉄で唯一導入しており、切符を自動改札機に通すことによって乗車券の券面に駅名が印字される。このため有効期間内に限り、乗車券を購入した駅以外の駅でその乗車券を使って入場することができる。例えば広瀬通駅で購入した乗車券でも有効期間内に限り長町南駅などでも使用できる。また、チケットフリー制であるという利点を生かし、往復乗車券としても利用できるため、仙台スタジアムでのサッカーの試合開催日や定禅寺通りなどでのイベントが行われる時は「きっぷは2枚お買い求め下さい」という案内がされる。過去に発券していた回数乗車券も駅名区間式ではなく金額式で線内のどこの駅でも使用できた。現在はジョイカードが回数乗車券と同じ割引率のため、回数乗車券は販売されていない。
[編集] 経営状況
2004年度は約43億5000万円の赤字となっている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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