神戸市営地下鉄
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神戸市営地下鉄(こうべしえいちかてつ)は、神戸市交通局が運営する地下鉄である。 4路線を所有しているが、西神延伸線・西神線・山手線は「西神・山手線」として一体的に運行されているため実質的には海岸線と合わせ2路線である。
目次 |
[編集] 路線
色 | 記号 | 路線名 | 区間 | |
---|---|---|---|---|
営業線 | ||||
S | 西神・山手線 *1 | 西神延伸線 | 名谷駅 - 西神中央駅 | |
西神線 | 名谷駅 - 新長田駅 | |||
山手線 | 新長田駅 - 新神戸駅 | |||
K | 海岸線 | 三宮・花時計前駅 - 新長田駅 | ||
計画線 | ||||
西神再延伸線 *2 | 西神中央駅 - 東播磨方面 |
- 北神急行電鉄北神線と相互直通運転。
- 経由地等は具体化していない。実現しない可能性もある。
[編集] 神戸市営地下鉄新線
かつては人口約22万人の神戸市垂水区を南北に結ぶ舞子(神戸市垂水区)~学園都市(神戸市西区)を結ぶ路線計画があった。正確には現在も検討中の路線になってはいるが、阪神・淡路大震災などによる神戸市の財政状況の悪化や沿線の人口減少、山陽電鉄バスの反対などにより、計画はほぼ白紙の状態である。
また西神中央駅を神戸市西区神出町、神戸市西区岩岡町、加古郡稲美町方面に向けて再々延伸計画もあり、これも現在は見直しが必要な路線として凍結しているが、需要が見込めない同路線の計画はほぼ、頓挫している。
神戸市北区(約23万人)や三田市、西宮市山口町ではフリーゲージトレイン方式で神鉄有馬線に北神急行・西神・山手線の直通運転の要望がある。
[編集] 車両
以下の4形式がある。全車両が地元の川崎重工製造である(山陽電鉄や神戸電鉄、神戸新交通も同様である)。市営車両の特徴は緑と橙色のいすである。
制御装置は、西神・山手線は日立製作所、海岸線は三菱電機と分けられている。
- 西神・山手線(6連28編成168両)
- 海岸線(4連10編成40両)
- 5000形:2001年就役(4連10編成40両)
[編集] 塗色と車両番号表示
最初に開業した西神・山手線の車両塗色は、神戸市営地下鉄に特有な緑の濃淡となっている。これはかつての神戸市電の流れを汲むもので、車両番号の角ばった書体も、市電のそれがそのまま採用されている。
[編集] 歴史
第二次世界大戦中の国家総動員法による、放射線道路建築予定地を利用し地下鉄西神線が建設された。
- 1971年11月25日 神戸市営地下鉄西神線起工式。
- 1977年3月13日 西神線名谷駅~新長田駅間開通。
- 1983年6月17日 山手線新長田駅~大倉山駅間開通。
- 1985年6月18日 西神延伸線名谷駅~学園都市駅間、山手線大倉山駅~新神戸駅間開通。
- 1987年3月18日 西神延伸線学園都市駅~西神中央駅間開通(現在の「西神・山手線」全線開通)。
- 1988年3月10日 プリペイドカードUラインカードの利用開始。
- 1988年4月2日 北神急行電鉄北神線開通、相互乗り入れ運転開始。
- 1993年4月15日 NewUラインカードによるストアードフェアシステム導入。
- 1993年7月9日 西神・山手線で快速を運転開始。
- 1994年4月19日 海岸線起工式。
- 1995年1月17日 阪神・淡路大震災で被災。
- 1995年1月18日 西神・山手線西神中央~板宿間運転再開。
- 1995年2月16日 西神・山手線全線営業再開(新長田、上沢、三宮は通過。3駅は3月末までに再開)
- 1995年7月21日 震災以来運休していた快速を廃止。
- 1999年10月1日 スルッとKANSAI対応カードが利用可能になる。
- 2001年7月7日 海岸線新長田~三宮・花時計前間、開通。
- 2004年9月1日 駅ナンバリング採用。
- 2006年10月1日 PiTaPa・ICOCAが利用可能となる。
[編集] 経営状況
経営状況は悪く、2005年度の純損益は約40億8110万円の赤字で、2005年度の累積欠損金は約1119億7999万円の赤字となっている。(神戸市交通局 財政状況と日本の地下鉄を参照のこと) しかし、西神・山手線は2005年度単年度黒字となっており、海岸線建設のために発行した企業債の利子や減価償却費といった資本費負担が大きいことによるものである。
[編集] 路線別収支状況
- 西神・山手線 純損益 約39億500万円の黒字(平成17度決算の状況の2ページ目を参照のこと)
- 海岸線 純損益 約79億9900万円の赤字(平成17度決算の状況の2ページ目を参照のこと)
(いずれも2005年度決算)
[編集] エコファミリー制度
神戸市の環境政策の一環として、市営地下鉄全線ならびに北神急行電鉄北神線において、エコファミリー制度が制定されている。適用日は、土・日・祝日と、年末年始(12月25日から1月7日まで)およびお盆休み(8月12日から16日まで)で、大人1人と同伴する小学生以下が2人まで運賃無料となる。大人1人の支払いは、現金・NewUラインカード・スルッとKANSAIカード・PiTaPa・ICOCA・定期券いずれも可能。利用時には、乗車駅の改札口で、窓口の駅員に「エコファミリーです」と申告し、無料となる子どもたち用の乗車券を受け取る必要がある。
2003年10月から1年間の実験として行われ、2004年10月には実験が1年延長された末、2005年10月から本格導入となった。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
大手私鉄 | ※☆阪急電鉄・☆※阪神電気鉄道・☆京阪電気鉄道・☆南海電気鉄道・近畿日本鉄道 |
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中小私鉄・第三セクター等 | ☆※能勢電鉄・☆※北大阪急行電鉄・☆大阪府都市開発(泉北高速鉄道)・☆※神戸電鉄・☆神戸高速鉄道・☆北神急行電鉄・☆山陽電気鉄道・☆神戸新交通・☆大阪高速鉄道(大阪モノレール)・京福電気鉄道・比叡山鉄道・叡山電鉄 |
公営地下鉄 | ☆大阪市交通局・☆神戸市交通局・☆京都市交通局 |
公営バス(外郭団体を含む) | ☆大阪市交通局・大阪運輸振興・高槻市交通部・尼崎市交通局・尼崎交通事業振興・伊丹市交通局・神戸市交通局・神戸交通振興・京都市交通局 |
民営バス | ☆※阪急バス・※阪急田園バス・近鉄バス・南海バス・南海りんかんバス・南海ウイングバス金岡・南海ウイングバス南部・☆大阪空港交通・京都バス・☆京阪バス・京阪シティバス・京阪宇治バス・山陽電気鉄道・※阪神電気鉄道・※阪神バス・神鉄バス・★神姫バス・★神姫ゾーンバス・和歌山バス・和歌山バス那賀 |
関西圏での参入予定社局 | ☆京阪京都交通・★奈良交通・★エヌシーバス |
関西圏外の事業者 | ★岡山電気軌道・★両備ホールディングス(両備バス)・★下津井電鉄 |
関西圏外での参入予定社局 | ★静岡鉄道・★しずてつジャストライン |
相互利用 | ★JR西日本(ICOCA) |
- 記号の意味
- ☆印の社局はPiTaPa加盟社局。
- ★印はPiTaPaのみの加盟社局・相互利用対応(スルッとKANSAIは非対応)。
- ※印の社局は阪急阪神東宝グループ。
- 無印の社局はスルッとKANSAIのみ対応。
日本の地下鉄 | |
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公営: | 札幌市 | 仙台市 | 東京都 | 川崎市(計画中) | 横浜市 | 名古屋市 | 京都市 | 大阪市 | 神戸市 | 福岡市 |
民営: | 埼玉高速鉄道 | 東京メトロ | 東京臨海高速鉄道 | 横浜高速鉄道MM21線 | 神戸高速鉄道 |