仙台西道路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
仙台西道路(せんだいにしどうろ)は、宮城県仙台市都心部から西に伸びる自動車専用道路である。地域高規格道路の計画路線に指定されている。地元では「西道路」との省略が度々用いられる。
起点は仙台市の広瀬通りにあり、終点では仙台宮城ICで東北自動車道に、折立インターチェンジで愛子バイパスにつながる。国道48号のバイパスでもある。基本幅員を20.5mとする4車線道で、長さは約5kmある。
無料の自動車専用道路であり、住宅地の地下を走るため、立町トンネル及び仲の瀬橋の区間は40km/h、その他の区間は60km/hに制限されている(臨時規制時を除く)。
目次 |
[編集] 歴史
仙台市都心部は、青葉山に仙台城をおき、それをめぐる広瀬川から東が平地で、西が山地(青葉山丘陵)である。都心は主に東に向けて発展したが、20世紀には広瀬川沿いの河岸段丘にも住宅地が広がり、さらに東北自動車道が西の山地を縦断するようになると、西方面の交通量が増加した。市街化された複雑な地形を前にして道路整備はなかなか進まなかった。国道48号は朝と夕方に渋滞となり、東北自動車道のインターチェンジはラッシュ時閉鎖を余儀なくされた。
仙台西道路はこの状態を打開するために作られた。1983年に暫定2車線で供用開始し、国道48号の渋滞解消に多大な効果をもたらした。このことから、建設省の日本の道100選に選定された。1987年には全線の4車線化が完了した。
[編集] 経路
全線の7割がトンネルである。都心側入り口は、西公園通の東側にある立町トンネル口と西側の川内トンネル口の2箇所で、ともに広瀬通からトンネルへの下り口がある。広瀬川にかかる仲の瀬橋は、上が市道(広瀬通りの延長)、下が仙台西道路の二段構造になっており、仙台西道路は、橋を渡ったところから568.35mの川内トンネルとなる。一旦トンネルを抜けて広瀬川の南岸を走るが、すぐに2244mの青葉山トンネルに入る。
東北自動車道仙台宮城ICの手前でトンネルを抜ける。仙台宮城IC周辺は改修され、山形県方面への国道48号線本線へ仙台西道路から直接乗り入れられるよう接続された。
仙台市都心部と東北自動車道・仙台宮城ICを結ぶ道路として、重要な役割を果たしている。また愛子バイパスの開通により、青葉区西部(旧宮城町地域)に新たに発展したニュータウン群と都心とを結ぶ道路として、さらに重要性を増している。
[編集] 特徴及び影響
仙台西道路の西側、仙台宮城IC付近は豊かな自然の残された風景の地域であるが、仙台西道路の青葉山・立町トンネルを抜け外へ出ると景色は一転してビルが建ち並ぶ市街地に変わる。この印象的なギャップがこの道路の特徴であると同時に、自然と都市の二面性という杜の都・仙台の都市の性格を象徴していると言えるであろう。
仙台西道路の存在により、仙台市都心部と仙台宮城IC間は短時間でアクセスできる。このアクセスの良さが、仙台発着の高速バスの利便性を増し、仙台・山形のツインシティー化や南東北3県都連合に大きな影響を与えている(仙台都市圏#高速道路網、仙台経済圏#仙台経済圏の交通環境の変化、東北地方の経済史#「仙台経済圏の拡大」と「仙台一極集中」参照)。
片側2車線化されてから長い間、トンネル内は車線変更不可の区間がほとんどで、制限速度は50km/hであった。無料の自動車専用道路であり、直線区間も長く、事故発生件数が少ないため、制限速度は60km/hに緩和され、車線変更も可能になった。規制が緩和された後の平成17年の仙台西道路における交通事故認知件数は0件[1]。
[編集] インターチェンジ・トンネルなど
- 立町トンネル
- 仲の瀬橋
- 川内トンネル
- 青葉山トンネル
- 郷六橋
- 綱木跨道橋
- 仙台宮城インターチェンジ(東北自動車道と接続)
- 折立跨道橋
- 折立インターチェンジ(国道48号旧道と接続。愛子バイパスとなる)
[編集] 仙台駅方面延伸構想
仙台西道路の都心側出入口となる広瀬通りでは朝夕の混雑が激しく、西道路を延伸して渋滞を緩和しようと言う構想がある。これは、開通当初から出ていた構想ではあるが、多額の費用がかかることから実現には至っていない。