仙草
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仙草 | ||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||
Mesona chinensis Benth
Mesona procumbens Hemsley |
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和名 | ||||||||||||||
なし(仙草は中国名) | ||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||
Chinese mesona |
仙草(せんそう、中国語 xiāncǎo)は、シソ科メソナ属の植物。
目次 |
[編集] 概要
中国原産の一年草で、中国では他に、仙人草(xiānréncǎo)、涼粉草(liángfěncǎo)、 薪草(xīncǎo)などの別名がある。高さは100cm程度にまで育つ。葉は対生で、長さ2~10cm、幅1~3cm程度の比較的長い形をしている。
[編集] 用途
[編集] 生薬
中国医学では仙舅草(xiānjiùcǎo)の名で、乾燥した地上部の葉や茎を使用する。味は甘、性は涼であり、暑気あたり、喉の渇き、熱毒に効用があるとされる。糖尿病、高血圧、風邪、関節炎に対する治療効果があるともいわれるが、薬効が証明されていないので、日本の薬事法上は効能を書かない限り、医薬品とされない。
[編集] デザート
乾燥させて黒くなった葉や茎を煮つめるとでん粉とペクチンなどの多糖類が溶出し、冷やすと、凝固して黒いゼリー状の食品ができる。干さないままの草から作ると緑色になる。これらを中国語で「仙草凍 xiāncǎodòng」、広東語で「仙草涼粉 sinchou leungfan」、客家語で「仙人粄」と称し、日本語では仙草ゼリーと呼ばれている。昔は、これを天秤棒で担いで売り歩く姿も見られたという。苦みがあるので、シロップや蜂蜜をかけて食べる事が多い。暑気あたり防止効果のあるデザートとして、香港やシンガポールでは人気が高い。クラッシュアイスなどと合わせて、冷たい飲み物のようにされることもある。現在は缶詰も作られており、日本でも中国食材を扱う店で売られている。自宅で作れる乾燥粉末もある。
[編集] 料理
台湾には仙草とニワトリを煮込んだ「仙草鶏」という料理がある。
[編集] 伝説
客家人には、夏の土用の入りの日(入伏)に仙草ゼリーを食べる習慣があり、この日に食べればひと夏の間汗疹(あせも)ができないと言い伝えられている。