佐賀のがばいばあちゃん
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『佐賀のがばいばあちゃん』(さがのがばいばあちゃん)は、島田洋七の小説、及びそれを原作とした映画と漫画とテレビドラマ。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
- 小説は、少年時代を佐賀で過ごした島田洋七が、少年時代の出来事を書いた小説。いわば、彼の自伝である。
- 映画では、大人になった主人公が少年時代に帰ってきた、という設定になっている。
- 「がばい」の意味を間違って広めた事で有名。佐賀県の方言では、「がばい」とは「非常に」の意味で連用修飾に使用され、このタイトルのように連体修飾詞として名詞の直前に付くことは無い。例えば、「非常にすごい」→「がばいすごか」と使われる。そのため、「佐賀のがばいばあちゃん」ではなく、「佐賀のがばいすごかばあちゃん」というのが正しい言い方である。劇中でも「がばいすごか」と使われているが、何故か「『がばい』とは『すごい』という意味である」と説明するメディアが後を絶たない。
- 小説は1993年の出版以来、2007年2月現在までに300万部を売り上げた。日本国内のほか海外では台湾での売り上げも大変好調である。
- テレビ版は、佐賀県で唯一の民放テレビ局・サガテレビを系列局に抱え、同局の番組に現在は佐賀県在住の島田自身も時折出演していることから、フジテレビが制作・放送した。メインロケ地には市長が中心となって誘致を進めた武雄市が選ばれ、同市の市役所では「佐賀のがばいばあちゃん課」が設置されるに至った。
- 余りにも大きな反響となったことから、2007年にはついに舞台劇にまでなることが決まった。今のところ、ばあちゃんは大空眞弓が演じる予定。
[編集] あらすじ
戦後の動乱期、広島に暮らす昭広(島田洋七の本名)少年は母親に女手ひとつで育てられている。働く母を恋しがって、まだ幼い昭広が物騒な夜の盛り場にやってくるため、懸念した母親がだますようにして、佐賀の昭広の祖母・おさのばあちゃんの家へ送ることから物語が始まる。
おさのばあちゃんの家は超のつく貧乏であり、ばあちゃんは苦労人だった。だがそれ以上に、明るく逞しい「がばいばあちゃん」であった。奇想天外なアイデア、破天荒な発言で昭広をけむに巻く。最初は驚かされっぱなしだった昭広だが、佐賀にも、学校の友達にも、そしてばあちゃんとの「由緒正しい貧乏」暮らしにも馴染んでいった。 周囲の優しい人々に見守られ、すくすくと成長する昭広少年の、がばいばあちゃんと過ごした8年間を描く。
洋七自身は高校進学に際して広島へ戻っている。シリーズ「第1篇」である本作品では、中学卒業で昭広がサノばあちゃんと別れるところで一区切りをつけている。
[編集] 映画
2006年6月3日より全国公開されたが、佐賀県を舞台とした作品のため、同県および九州各県の一部映画館では、同4月22日から順次先行公開された。
単館系映画ながら、興行収入6億円のヒット作となった。文部科学省推奨。
[編集] スタッフ
[編集] 登場人物
- ばあちゃん:吉行和子
- 真佐子:浅田美代子
- 豆腐屋のおじさん:緒形拳(特別出演)
- 明広(成人):三宅裕司(特別出演)
- 明広(中学生):鈴木祐真
- 明広(小学生):池田晃信
- 明広(小学生):池田壮磨
- スポーツ店主:島田紳助(友情出演)
- 大学の掃除夫:島田洋八(友情出演)
- 中野先生:山本太郎
- 明広の母:工藤夕貴
- 小2担当教師:保積ペペ
- 警官:吉守京太
- 看護婦:石川あずみ
[編集] テレビドラマ
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フジテレビ系列にて、2007年1月4日の21:00~23:18(JST)に放送された。ビデオリサーチ社によると関東地区で19.2%、北部九州地区(福岡都市圏)で21.6%と、同時間帯及び2007年正月のドラマ番組としてトップの視聴率を獲得した。なお佐賀県内の視聴率は、島田洋七によると、88%という驚異的数字をマークしたらしい。
スタッフ
出演
- 由美子 - 夏未エレナ
- 山崎しげる(小1~2) - 下山葵
- 山崎しげる(小6~中学生) - 桑原成吾
- しげるの母 - しのへけい子
- 吉村和彦(昭広の親友) - 岩井進士郎
- 吉村和彦(小6~中学生) - 丸山隼
- あゆみ - 田中明
[編集] 漫画
ビジネスジャンプにて『がばい -佐賀のがばいばあちゃん-』のタイトルで連載中。画は石川サブロウが担当。
[編集] 舞台
- 吉本が制作している。吉本の興行に元・松竹新喜劇の曽我廼家文童が出るのは異例。
- この舞台が終了する8月末に洋七は吉本興業を離れる。
- そのため(少なくともこのメンバーでの)再演はない。
[編集] 書籍化の経緯
- 洋七の祖母の逸話を耳にしたビートたけしが、最初に書籍化を強く勧め、洋七がそれに応え執筆した。
- ただし、たけしは『週刊ポスト』39巻17号(小学館・2007年4月13日)掲載の記事「ビートたけしの21世紀毒談-島田洋七の『がばいばあちゃん』は巷で大流行の『都市伝説』より怪しいぜっての!」にて、書籍・映画・ドラマ・舞台など作品自体に対して「面白話ならともかく感動秘話って、そりゃおかしい」と指摘している。理由として、「そもそも、洋七とばあちゃんが一緒に暮らしたのは8~15歳の7年間だけで、とっくに亡くなっている」こと、さらに祖母について「人生訓を垂れられるようなタイプのばあちゃんでもなかった」ことを挙げ、「洋七のウソは有名なんでね」としている。もちろん本作は小説であり、事実を基にはしているがフィクションである。
[編集] 外部リンク
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