内ゲバ
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内ゲバ(うちげば)は、内部ゲバルト(ゲヴァルトとも。独:Gewalt、威力・暴力)の略で、一般的には、新左翼党派間の暴力を伴った抗争をいう。
国家権力に対する暴力=ゲバルトを公言と表明する新左翼であるが、革命という共通した目的をもつ左翼陣営の内部にありながら、路線対立・ヘゲモニー争いを理由に、ある党派が別の党派に暴力を行使する。これを内部ゲバルトといい、学生運動で新左翼の分裂が始まった60年代初期から発生していた。初めは集団の小競り合い程度だったが、後に個人を拉致しリンチを徹底的に加えるという陰惨なものになっていく。また新左翼の街頭武装闘争が激しくなるにつれて、集団での抗争も武器がエスカレートし激しいものとなっていった。こうして60年代の後半以降はあらゆる新左翼党派間に内ゲバが蔓延した。特に中核派・革労協と革マル派との間の内ゲバは激しく、70年代には殺し合いの状態になり、革マル派が中核派と革労協の最高指導者を暗殺したことで、内ゲバは「戦争」状態となった。
内ゲバによる死者は100名以上、負傷者は数千人と言われている。
これらから転じて、政治・思想分野に限らず同じ組織に属する人間間の対立、仲間割れによる不毛な論争も「内ゲバ」と称する事がある。党派間の暴力を内ゲバと言うのに対し、党派内部の分派間の暴力を「内々ゲバ」と称することもある。党派内部で個人に加えられる暴力は粛清という。
[編集] 内ゲバの歴史
[編集] 関連項目
[編集] 参考
立花隆中核vs革マル1983