暴力
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暴力(ぼうりょく)とは、一般的に他者に対して物理的・心理的に圧力を加える力をいう。多く不法に用いられる力についていわれる。狭義には物理的・肉体的に行使される力をいう。マックス・ウェーバーはその国家論において、権力を正当化された暴力と捉えた。
不法に行使された力を「暴力」という場合、正当性の有無が論争になることがある。行使の当事者が、正当な権利の行使である、あるいは報復や正当な懲罰行為であると主張するが、他方からは正当性が認められないという事態が起こりうる。特に国家間の軍事力の行使では、こうした意見の対立が多く見られる。
身体的・心理的暴力は、傷害の罪などに問われる場合がある。そもそも、他人を暴力によって支配しようという心理傾向は、正常な状態ではない。したがって宗教などでしばしば行われるマインドコントロール等で暴力を使う傾向が顕著に見られる。これは人間の心理が基本的に暴力を恐れるからである。暴力の行使はまたPTSD等の心理的ダメージを、被害者の心理に後々まで残すことがある。
[編集] 日本の関連法規
暴力の行使は刑法では、傷害罪、暴行罪、強要罪、強盗罪、恐喝罪、器物損壊罪、決闘罪などとして処罰される可能性がある。刑法以外では、暴力行為等処罰ニ関スル法律、航空機の強取等の処罰に関する法律、迷惑防止条例などがある。