加藤和也 (数学者)
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加藤 和也(かとう かずや、1952年1月17日 - )は数学者。和歌山県出身の京都大学教授。東京大学卒。1975年、同大学院修士課程修了。1980年、博士号取得。
専門は整数論で、局所類体論の高次元化とその一般化、大域化。保型形式の岩澤理論の部分的解決、p-進 -元の
加群の構成、BSD予想への貢献。スペンサー・ブロックとともにHodge-Tate予想への貢献、L関数における玉河数に関するBloch-加藤予想の提起や、ジャン・マルク・フォンテーヌ、リュック・イリュージーとともにlog代数幾何学を生み出した業績で知られる。
独特の語り口が魅力で講義が人気。「素数の歌」の作者としても有名。
[編集] 人物
- 現在では整数論における世界的リーダーだが、学生時代は進振りの成績が良くなく、進みたかった天文学科に進めずに航空学科に進んだ。航空学科では留年した。ところが数学科に転科して代数のテストを受けたらダントツのトップだった。
- 学生のころ大学ノートを1日1冊使い切った。
- Hodge-Tate予想に関する結果をIHESでの講演で初めて発表した際、ピエール・ルネ・ドリーニュが驚きのあまり床に転げた。
- 「ゼータ惑星」出身説。
- 素数の声が聞こえる。
- 数列の収束したい気持ちを理解している。
- 「素数踊り」を考えた。
- 「ゼータ笑いの歌」を考えた。
- 師は伊原康隆。
- 兵頭治、斎藤秀司、栗原将人、辻雄らの師でもある。
- 2006年の国際数学者会議の基調講演で、ゼータ世界とゼータの化身を説明する際、童話の「鶴の恩返し」について4枚の彩色された挿絵付きで解説した。
[編集] 略歴
- 1975年 - 東大理学部数学科卒業
- 1977年 - 同大学院修士課程修了、同助手に就任
- 1980年 - 理学博士号を取得
- 1982年 - 東大講師に就任
- 1984年 - 同助教授に就任
- 1988年 - 日本数学会春季賞:高次元H類体論の研究
- 1990年 - 東大教授に就任
- 1992年 - 東工大教授に就任
- 1995年 - 井上科学振興財団井上学術賞:p進的方法による代数多様体の数論の研究
- 1997年 - 東大教授に就任
- 2001年 - 京大教授に就任
- 2002年 - 朝日新聞社朝日賞:整数論の研究
- 2005年 - 日本学士院日本学士院賞・恩賜賞:整数論・数論幾何学の研究