日本数学会
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日本数学会は、1877年(明治10年)に創立された学会である。数学の研究に関する交流の場であり、数学を一般社会へ普及することを図る。また、関係諸方面と協力して学術文化の向上発展に寄与することを目的とする。会員約 5,000 名を擁する組織である。日本国内および国際的に、数学の進歩・発展のために力をつくしている。英語名称はMathematical Society of Japan、略称はMSJである。
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[編集] 沿革
- 1877年 東京数学会社として設立。
- 1884年 東京数学物理学会に改組。このころは物理学者も含む組織であった。
- 1918年 日本数学物理学会と改称。
- 1946年 日本物理学会と分離し、日本数学会となる。
- 1952年 社団法人となる。
[編集] 組織
研究分野ごとに次の10の分科会が設けられている。
また所属大学などの所在地別に次の支部がある。
[編集] 学術的会合
[編集] 年会・秋季総合分科会
毎年3月に年会、9月に秋季総合分科会がそれぞれ4日間の日程で行なわれる。会員の間ではそれぞれ「春の学会」、「秋の学会」と呼ばれることが多い。会場は各大学の持ち回りである。
年会・秋季総合分科会では次のような講演が行なわれる。
- 総合講演
- 2名が各1時間の講演を行なう。うち一名は春季賞・秋季賞の受賞者である。
- 企画特別講演
- 1時間の講演が並行して数件ずつ行なわれる。
- 分科会特別講演
- 分科会ごとに分かれて1時間の講演が行なわれる。
- 一般講演
- 会員の申し込みにより行なわれる講演である。分科会ごとに分かれて行なわれる。なお「無限可積分系」セッションは独立した分科会ではないが、分科会特別講演および一般講演では分科会と同様に扱われる。時間は各5分から20分程度である。
- 市民講演会
- 一般市民向けの講演。
このほか、後述する各賞の受賞者の発表、表彰が行なわれる。また学会の運営や研究・教育上の諸問題を話し合うための会議が行なわれる。
[編集] その他の会合
日本数学会国際研究集会(MSJ-IRI)が2005年までに14回開催されている。また各分科会の主催するシンポジウム・研究集会なども行なわれている。
[編集] 賞
日本数学会の授与する賞には次のようなものがある。
- 日本数学会賞 春季賞
- 40歳未満の優れた研究者に与えられる。
- 日本数学会賞 秋季賞
- 優れた研究を行った研究者、または研究グループに与えられる。年齢の制限はない。
- 日本数学会賞 建部賢弘特別賞、建部賢弘奨励賞
- 総称して建部賞ともいう。若手の数学者を対象にしており、特別賞は毎年3名程度、奨励賞は毎年5名程度に与えられる。
- 関孝和賞
- 数学の研究業績以外の功績によって数学の発展に寄与した個人・団体に与えられる。関孝和の出身地である藤岡市から副賞が贈られる。
- 出版賞
- 出版・著作により数学の研究・教育・普及に業績をあげた個人・団体に与えられる。2005年に新設された賞である。
- 弥永賞
- 弥永昌吉からの寄付金を基金として若手研究者に与えられていた賞。1987年に日本数学会賞が新設されたことにより、その春季賞に役目を譲った。
この他、分科会などにより与えられる賞として、幾何学賞、代数学賞、解析学賞がある。
[編集] 出版
定期的な刊行物としては以下がある。
- 数学(sugaku)
- 1947年創刊の邦文機関誌。日本語論文、企画記事、書評、学会ニュースなどを掲載する。
- 数学通信
- 1996年創刊。数学会報など会員向けの情報を掲載する。
- Journal of Mathematical Society of Japan(JMSJ)
- 1948年創刊の欧文機関誌。欧文の論文を掲載する。
- Japanese Journal of Mathematics(JJM)
- 1924年創刊の欧文誌。1975年以降(2nd series)数学会の公式の出版物となる。2006年にthird seriesとして、概説(survey)を中心に掲載するようになった。
このほか不定期にPublications of the Mathematical Society of Japan、Advanced Studies in Pure Mathematics、MSJ Memooirとして数学書、講義録などを出版している。