北氏
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北氏(きたし)は三戸南部氏の庶家。本姓は源氏。家系は清和源氏の一流で河内源氏の傍流 甲斐源氏 南部氏の一門にあたる。
南部氏3代惣領南部時実の三男・北孫三郎宗実を祖とする家である。北信愛までに至る系図は発見されていないが、厨川工藤氏との関係があるとも言われている。北信愛以前を前期北家と称している。
文亀3年(1503年)に南部氏21代惣領南部信義の死去に伴い、嫡子・北致愛が八戸信長の横槍によって母方の北氏に追いやられる事件が起きた。その後北致愛の嫡子・北信愛が北氏を継承し、南部氏内部で八戸氏・九戸氏に続く勢力を築いた。元亀2年(1571年)から始まった屋裏の変では、南部信直を保護し南部晴政と争った。南部晴継死去後には、強引な手段によって南部信直を26代惣領の座に付かせた。その後は君側の首座とし外交・軍事で活躍した。信愛死後の北氏は、北宗家三戸家と南氏系北氏に分裂し幕末まで続いていく。