半旗
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半旗(はんき、英Half-staff)とは、国家、団体、個人などが弔意を表す際に用いられる手法である。
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[編集] 公法
旗を旗竿の最上位まで掲げ、その後に旗竿の半旗の位置にまで降ろすことで行われる。半旗の位置とは、おおよそ旗の一辺から旗竿の2分の1の範囲であり、半旗であることが傍目に解る位置であればよいとされる。逆に半旗としない場合は、旗竿の構造上可能な範囲において最上位に掲げて固定し、傍目に半旗であると誤解されないように掲揚するべきであるとされる。
半旗を降ろす場合には、再び旗を旗竿の最上位まで掲げ直してから降ろす。
多くの場合国旗が用いられ、団体固有の旗がある場合にはそれが用いられることがある。団体固有の旗としては、域旗・社旗・校旗・都道府県旗・市町村旗などが例としてあげられる。
日本ではなじみはないが、貴族制度が残っている国では、王旗などが存在している。王旗のように貴族固有の紋章をあしらった旗もまた半旗に用いられている。
[編集] 慣習
旗竿の構造によって半旗が出来ない場合は、旗頭を黒い布で覆うことで弔意を表す方法もある。
また、日本においては大喪中ノ国旗掲揚方という法令があり、大喪の礼の際に日本国旗(日章旗)を掲揚する方法が定められている。国際的にはこのように弔旗と国旗を合わせて掲揚する方法は一般的ではなく、半旗が用いられる。
[編集] 諸外国の例
半旗を掲げる対象と期間を規定として定めている国もあり、その定めた内容をプロトコルと呼ぶこともある。
[編集] 日本国
- 政府が半旗を掲揚するよう各官庁、学校、企業等に求めている。
- 首相経験者の葬儀の日
[編集] カナダ
次の場合に半旗を掲揚している。
- イギリス国王(女王)、現カナダ総督、現カナダ首相の崩御、死亡時。
- 死亡時から葬儀日の日没にかけて
- イギリス国王(女王)の配偶者、イギリス皇太子、イギリス王子、元カナダ総督、元カナダ首相、カナダ最高裁判所長官、カナダ国務大臣の薨去、死亡時。
- 死亡時から翌日の日没にかけて
- 4月28日
- 9月の警察官などの殉職者追悼記念日
- 11月11日、休戦記念日
- 12月6日、女性への暴力を記憶する日
[編集] アメリカ合衆国
- 現職の大統領、または大統領経験者の死亡時
- 死亡後30日間
- 現職の副大統領、副大統領経験者、連邦議会議長、連邦最高裁判所長の死亡時
- 死亡後10日間
- 連邦最高裁判所判事、国務長官・副長官、国防省長官・副長官、州知事の死亡時
- 死亡時(各機関においてそれを知った時点)から埋葬の日まで
- 連邦議会議員の死亡時
- 死亡時(各機関においてそれを知った時点)から翌日にかけて
- 大統領令による
- 連邦議会の定める法による
- 12月7日の大統領宣言、真珠湾攻撃の日、戦没者記念日など
[編集] イギリス
- 王室は国王(女王)の崩御時に王室旗を用いて半旗を掲げる。
- ダイアナ元皇太子妃が死亡したときには、国民の間から「王室は半旗を掲げるべき」との世論が起こり、伝統に反してバッキンガム宮殿にユニオンジャックの半旗が掲げられた。
[編集] 大韓民国
- 6月6日の顯忠節(殉国者追悼の日)と国葬の際に半旗を掲げる。
[編集] サウジアラビア
- サウジアラビアの国旗にはイスラム教の信条が記載されており、これを汚さないために国旗を半旗にしてはならないと法律でも定められている(統治基本法第3条参照)。