国際原子力機関
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国際原子力機関(こくさいげんしりょくきかん、International Atomic Energy Agency (IAEA))は、原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関である。2005年度のノーベル平和賞を、エルバラダイ事務局長とともに受賞した。
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[編集] 沿革
1957年に創立され、事務局長は、1981年から1997年までハンス・ブリックス、その後はモハメド・エルバラダイ。
2002年のエリトリア、キルギス及びセーシェルの加盟により、加盟国は137ヶ国となった。
[編集] 構成
主な組織としては総会、理事会、事務局がある。
総会は全ての加盟国の代表者からなり、理事国の選出、新規加盟の承認、予算の承認などを行う。
理事会は35ヶ国の理事国によって構成され、機関の任務遂行を行う。理事国の選定は、前任の理事会が原子力に関する技術の最も進歩した13ヶ国を指定し(理事会指定理事国または指定理事国と呼ばれる)、その他の22ヶ国を地域的な構成を考慮しながら総会が選出する。日本は機関の創立当初から指定理事国である。
事務局長は事務局の長であり機関の首席行政官であり、総会の承認を得て理事会が任命する。
[編集] 加盟国
- 指定理事国
- 日本、アメリカ合衆国、カナダ、ブラジル、フランス、ドイツ、スペイン、イギリス、ロシア連邦、南アフリカ、インド、中国、オーストラリア
- その他加盟国
- ラテンアメリカ
- アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ
- 西ヨーロッパ
- オーストリア、ベルギー、キプロス、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、バチカン、アイスランド、アイルランド、イタリア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、モナコ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、スイス、マルタ
- 東ヨーロッパ
- アルバニア、ベラルーシ、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、ウクライナ、ユーゴスラビア、エストニア、リトアニア、クロアチア、スロベニア、ウズベキスタン、アルメニア、チェコ、スロバキア、カザフスタン、マケドニア、ボスニア・ヘルツェコビナ、ラトビア、モルドバ、グルジア、アゼルバイジャン
- アフリカ
- アルジェリア、カメルーン、コートジボアール、エジプト、エチオピア、ガボン、ガーナ、ケニア、リベリア、リビア、マダガスカル、マリ、モーシャス、モロッコ、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、スーダン、チュニジア、ウガンダ、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ、コンゴ、シエラレオーネ、ブルキナファソ、ベナン、アンゴラ、中央アフリカ
- アジア
- アフガニスタン、バングラデシュ、イラン、イラク、トルコ、イスラエル、ヨルダン、クウェート、レバノン、パキスタン、カタール、サウジアラビア、スリランカ、シリア、アラブ首長国連邦、イエメン、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイ、韓国、モンゴル、フィリピン、ベトナム
- オセアニア
- ニュージーランド、マーシャル諸島
- ラテンアメリカ
[編集] 動向
2003年11月の定例理事会では、イランの核開発問題が取り上げられ、イギリス・フランス・ドイツ・日本が共同提案した非難決議案を全会一致で採択した。アメリカの主張する国際連合安全保障理事会への付託は見送られた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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