地理歴史
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地理歴史(ちりれきし)は、日本の学校教育における教科の一。地歴(ちれき)と省略して呼ばれることもある。世界史、日本史、地理といった科目を一教科として教科名にこの呼称を使用する。
地理歴史科は高等学校に設置されている教科である。小中学校の社会科の内容に対応する。
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[編集] 科目
地理歴史科の発足以来、学習指導要領では、世界史・日本史・地理の各分野について、標準単位数2単位の科目と標準単位数4単位の科目の2種類がそれぞれ用意され、地理歴史科は以下の6科目で構成されている。
- 世界史A(標準単位数2単位)
- 世界史B(標準単位数4単位)
- 日本史A(標準単位数2単位)
- 日本史B(標準単位数4単位)
- 地理A(標準単位数2単位)
- 地理B(標準単位数4単位)
原則として、以下の1.2の内容をすべて満たすことが必修要件である。
- 「世界史A」または「世界史B」から1科目を選択必修
- 「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」から1科目を選択必修
すなわち、世界史は必修で、加えて日本史と地理のどちらか少なくとも1科目を選択履修することになる。なお、地理歴史科に属する各科目の履修学年や履修順序は指定されていない。
[編集] 地理歴史科の背景
従来は高等学校にも社会科があり、現在地理歴史科で扱っている地理や歴史の内容は社会科で扱っていた。しかし高等学校社会科を再編して地理歴史科と公民科に分割されることになり、地理歴史科は公民科とともに1994年度第1学年から学年進行で導入された。しかし現在でも地理歴史科と公民科を合わせて社会科と呼ばれることもある。
※高等学校社会科再編の過程については、社会科の項に詳しい。
[編集] 必修科目未履修問題
富山県の高校で2006年10月、本来ならば世界史を含めて2科目以上履修しなければならない地理歴史科の科目を、大学受験対策として1科目しか履修しないカリキュラムにしていたことが判明した。したがってこの高校では、世界史を選択した生徒は日本史もしくは地理の単位が不足し、日本史もしくは地理を選択した生徒は必修の世界史を履修していないことになり、全員が履修要件を満たしていなかったことになる。
その後の調査の結果、全国的にも同様の事例が多数報告された。この問題の詳細は、高等学校必履修科目未履修問題を参照のこと。