堀内昶
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堀内 昶(ほりうち ひさし、1943年1月1日 - )は、日本の男性物理学者。神奈川県横浜市出身。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院修了。京都大学大学院理学研究科教授などを経て、2006年に退官し京都大学名誉教授。
専門は、原子核の理論的研究、特に軽い原子核におけるクラスター構造と重イオン反応の研究。東京大学では有馬朗人に師事。反対称化分子動力学法を用いたAMD模型を開発し、重イオン反応における多重破砕過程の理解に貢献。また、このAMD法を用い軽い原子核におけるクラスター形成のメカニズムの解明に貢献した。原子核の構造と反応を記述するAMD法の開発によって、1996年の日本物理学会論文賞、2000年の仁科記念賞の受賞に至った。
京都大学理学部物理学第二教室では、量子力学を研究する湯川秀樹の研究室の流れを汲み、湯川秀樹が素粒子論研究室を新たに作り、原子核理論研究室を主宰することになった小林稔、玉垣良三の後を継ぎ、日本における原子核理論研究の中心的な役割を果たすとともに、数々の研究者を育てた。現在、国内の大学等でスタッフとして物理学を研究している主な弟子は、以下の通りである。藤原義和(京都大学講師)、和田隆宏(甲南大学助教授)、矢花一浩(筑波大学教授)、大西明(北海道大学助教授)、丸山敏毅(日本原子力研究開発機構主任研究員)、小野章(東北大学助手)、延与佳子(京都大学基礎物理学研究所助教授)、土手昭伸(高エネルギー加速器研究機構助手)。(所属は、2006年現在のもの。)
[編集] 略歴
- 1965年 - 東京大学理学部物理学科を卒業。
- 1970年 - 同大学院博士課程を修了。理学博士号を取得。
- 1970年 - 日本学術振興会奨励研究員。
- 1970年 - 京都大学基礎物理学研究所助手に就任。
- 1973年 - 京都大学理学部助手に就任。
- 1977年 - 同助教授に就任。
- 1996年 - 京都大学大学院理学研究科教授に就任。
- 2000年 - 仁科記念賞を受賞。
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『核子が作る有限量子多体系 』(岩波書店)
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