筑波大学
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大学設置 | 1973年:筑波大学 |
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前身 | 1872年:師範学校 1873年:東京師範学校 1886年:高等師範学校 1902年:東京高等師範学校 1929年:東京文理科大学 1949年:東京教育大学 1979年:図書館情報大学 |
学校種別 | 国立 |
設置者 | 国立大学法人筑波大学 |
学長 | 岩崎 洋一 |
同窓会 | 茗渓会 |
本部所在地 | 〒305-8577 茨城県つくば市天王台1丁目1-1 |
学群 | 第一学群 第二学群 第三学群 医学専門学群 体育専門学群 芸術専門学群 図書館情報専門学群 |
大学院 | 地域研究研究科 教育研究科 経営・政策科学研究科 理工学研究科 環境科学研究科 バイオシステム研究科 医科学研究科 体育研究科 芸術研究科 ビジネス科学研究科 人文社会科学研究科 数理物質科学研究科 システム情報工学研究科 生命環境科学研究科 人間総合科学研究科 図書館情報メディア研究科 |
ウェブサイト | 筑波大学公式サイト |
筑波大学(つくばだいがく、英称:University of Tsukuba)は、茨城県つくば市に本部を置く、日本の国立大学。
目次 |
[編集] 概要
1872年(明治5年)の師範学校を設立を創起とする総合大学、大学院大学である。1970年代の大学紛争による大学改革の議論のなかで、新しい大学像のモデルとして、1973年10月に、東京教育大学を廃して、その資産を引き継ぎ、筑波研究学園都市建設の一環として茨城県新治郡桜村(現在のつくば市)に「開かれた大学」としての建学の理念のもと工学系・医学系なども含めた総合大学として開学された。2006年現在の学長は、岩崎洋一(2004年4月-)。
国立大学法人化後のめざすべき大学像として「つくばダイヤモンド」を標榜している。 つくばダイヤモンド:Creativity(創造的であること)、Integrity(誠実で期待を裏切らないこと)、Friendliness (親しみやすく親切なこと)、Strength (肉体的・精神的に強く持続力があること)、Enthusiasm (情熱にあふれ集中力が高いこと)、Intelligence インテリジェンス(知性に富み体系的な知識をもつこと)
筑波大学は筑波キャンパスの他に旧東京教育大学の校舎・敷地も所管し、首都圏にある附属学校を統括する学校教育局、社会人対象の夜間大学院や各種研究センターが旧東京教育大学の本部が置かれた東京都文京区大塚にある。大塚キャンパスの他、つくばエクスプレス線の開業を受け秋葉原に法科大学院キャンパスが設けられている。また、東京駅とつくばを結ぶ高速バスの一部が筑波大学まで乗り入れている。
明治5年の師範学校設立を開祖とする茗渓会は、その後、様々な学校、大学の統合の下で成立した旧東京教育大学の同窓会となり、今日、筑波大学の同窓会として継承されている。
現在の国立科学博物館は明治期に東京高等師範学校の附属機関として設立されて後独立しているし、最近では図書館情報大学と統合するなどしており、様々な機関の歴史を背景に現在に至っている。
スクールカラーは「●筑波紫」(HTML#660099)。ただ、その採用が義務付けられてはいない。例えば全国レベルで活躍するサッカー部のユニフォームは青色であるし、バレー部のユニフォームは緑色である。
紫峰という名の発行物もあるように紫は筑波大学のキーワードとなっている。
筑波大学は開学以来、「研究」と「教育」を分離しており、これは一つの特徴となっている。
[編集] 沿革
- 1970年10月 筑波大学建設事務所を開設。
- 1973年10月1日 筑波大学開学。第一学群(人文学類、社会学類、自然学類)、医学専門学群、体育専門学群、附属図書館を設置。
- 1975年 第二学群(比較文化学類、人間学類、生物学類、農林学類)、芸術専門学群設置。
- 1976年 筑波大学附属病院開設。
- 1977年 第三学群設置(社会工学類、情報学類、基礎工学類)。
- 1978年 東京教育大学閉学。大学院博士課程社会工学研究科を設置。医療技術短期大学部を設置。
- 1980年 大学院博士課程医学研究科を設置。
- 1981年 大学院博士課程工学研究科を設置。
- 1983年 第三学群国際関係学類設置。
- 1985年 第二学群日本語・日本文化学類設置。
- 1989年4月1日 大塚キャンパス(東京キャンパス大塚地区)に社会人大学院を設置。
- 1991年 第三学群工学システム学類設置。
- 1994年 農林学類を生物資源学類に改称。
- 1995年 国際関係学類を国際総合学類へ改組。
- 1998年 基礎工学類を工学基礎学類へ改組。
- 2002年10月1日 図書館情報大学と統合。春日キャンパス(筑波キャンパス春日地区)設置。図書館情報専門学群及び大学院博士課程図書館情報メディア研究科を設置、医学専門学群に医学類と看護・医療科学類を設置。
- 2004年3月 図書館情報大学閉学。
- 2004年4月1日 国立大学法人筑波大学発足。
- 2005年4月1日 秋葉原キャンパス(東京キャンパス秋葉原地区)設置。専門職大学院であるビジネス科学研究科法曹専攻及び国際経営プロフェッショナル専攻設置。
- 2005年8月24日 7月22日限りで廃止された筑波キャンパスの「学内バス」(北地区〜春日地区を結ぶ循環路線)の代替として、新たに関東鉄道による「筑波大学循環」バス(つくばセンター発着)の運行開始。学生・関係者向けに低廉な定期運賃が設定される。
- 2006年3月 医療技術短期大学部を廃止。
[編集] 教育組織
[編集] 学群・学類
教育研究上の基本となる組織の1つで、学生(大学院の学生などを除く)が所属する。ほかの大学の学部や学科・課程に相当している。
[編集] 学群学類の再編(2007年度)
筑波大学の「学群・学類」制度は、学際性、文理融合などの観点に基づくが、受験生や社会一般に対してわかりにくいとの批判があった。そこで再編成がおこなわれることになり、2005年7月21日に正式発表された。
主な変更事項は以下の通り:
- ナンバー学群制の廃止、学問内容による学群制の導入
- 人間学類の学群化および主専攻レベルの学類化
- 自然学類の主専攻レベルの学類化
- 情報学類と図書館情報専門学群の「情報学群」化、情報メディア創成学類の設置
- 工学基礎学類の名称変更
- 医学専門学群の名称変更及び内部学類変更
現在のところ総定員に変更はない模様。平成19年(2007年)度新入生から適用される。なお、従来の学群学類制での入学者は卒業までの学群学類所属に関して変更は行わない。
[編集] 2007年度入学者からの学群構成
※ 編入学者は従前の学群に属することとなる(2007年度・2008年度)。
(カッコ内は以前の組織での学群・学類、△は専攻の学類化や新設される学類)
- 人文・文化学群(人文学類、比較文化学類、日本語・日本文化学類で構成)
- 人文学類(一学人文学類)
- 比較文化学類(二学比較文化学類)
- 日本語・日本文化学類(二学日本語・日本文化学類)
- 社会・国際学群(社会学類、国際総合学類で構成)
- 社会学類(一学社会学類)
- 国際総合学類(三学国際総合学類)
- 人間学群(人間学類を学群化)
- 教育学類(二学人間学類教育学主専攻) △
- 心理学類(二学人間学類心理学主専攻) △
- 障害科学類(二学人間学類心身障害学主専攻) △
- 生命環境学群(自然学類の一部、生物学類、生物資源学類で構成)
- 地球学類(一学自然学類地球科学主専攻) △
- 生物学類(二学生物学類)
- 生物資源学類(二学生物資源学類)
- 理工学群(自然学類の一部、工学基礎学類、工学システム学類、社会工学類で構成)
- 数学類(一学自然学類数学主専攻) △
- 物理学類(一学自然学類物理学主専攻) △
- 化学類(一学自然学類化学主専攻) △
- 応用理工学類(三学工学基礎学類)
- 工学システム学類(三学工学システム学類)
- 社会工学類(三学社会工学類)
- 情報学群(図書館情報専門学群と情報学類で構成)
- 知識情報・図書館学類(図情)
- 知識科学主専攻
- 知識情報システム主専攻
- 情報経営・図書館主専攻
- 情報メディア創成学類 △
- 情報科学類(三学情報学類)
- ソフトウエアサイエンス主専攻
- 情報システム主専攻
- 知能情報メディア主専攻
- 知識情報・図書館学類(図情)
- 医学群(医学専門学群の構成を変更)
- 医学類(医専医学類)
- 看護学類(医専看護・医療科学類看護学主専攻) △
- 医療科学類(医専看護・医療科学類医療科学主専攻) △
- 体育専門学群(体専)
- 芸術専門学群(芸専)
[編集] 2006年度入学者までの学群構成
- 第一学群
- 人文学類
- 哲学主専攻
- 史学主専攻
- 考古学・民俗学主専攻
- 言語学主専攻
- 社会学類
- 社会学主専攻
- 法学主専攻
- 政治学主専攻
- 経済学主専攻
- 自然学類
- 数学主専攻
- 物理学主専攻
- 化学主専攻
- 地球科学主専攻
- 人文学類
- 第二学群
- 比較文化学類
- 文学主専攻
- 地域主専攻
- 思想主専攻
- 日本語・日本文化学類
- 日本語・日本文化学主専攻
- 人間学類
- 教育学主専攻
- 心理学主専攻
- 心身障害学主専攻
- 生物学類
- 生物学・基礎主専攻
- 生物学・応用主専攻
- 生物資源学類
-
- 農林生物学コース
- 応用生命化学コース
- 環境工学コース
- 社会経済学コース
- (2004年度以前)
- 生物資源生産科学主専攻
- 生物資源機能科学主専攻
- (1993年度以前:農林学類)
- 生物資源生産学主専攻
- 生物応用化学主専攻
- 生物環境造成学主専攻
- 生物生産組織学主専攻
-
- 比較文化学類
- 第三学群
- 社会工学類
- 社会経済システム主専攻
- 経営工学主専攻
- 都市計画主専攻
- 国際総合学類
- 国際関係学主専攻
- 国際開発学主専攻
- 情報学類
- 情報科学主専攻
- 計算機システム主専攻(~2004年度)
- 情報システム主専攻(2005年度~)
- 知能情報メディア主専攻
- 工学システム学類
- 知的工学システム主専攻
- 機能工学システム主専攻
- 環境開発工学主専攻
- エネルギー工学主専攻
- 工学基礎学類
- 応用物理主専攻
- 電子・量子工学主専攻
- 物性工学主専攻
- 物質・分子工学主専攻
- 社会工学類
- 医学専門学群
- 医学類
- 看護・医療科学類
- 看護学主専攻
- 医療科学主専攻
- 体育専門学群
- 健康・スポーツ教育主専攻
- 健康・スポーツマネジメント主専攻
- スポーツコーチング主専攻
- 芸術専門学群
- 芸術学主専攻
- 美術主専攻
- 構成主専攻
- デザイン主専攻
- 図書館情報専門学群(旧 図書館情報大学)
- 図書館情報管理主専攻
- 図書館情報処理主専攻
[編集] 大学院
大学院修士課程研究科
- 地域研究研究科
- 地域研究専攻
- 教育研究科
- 障害児教育専攻(昼夜開講)
- 教科教育専攻(昼夜開講)
- カウンセリング専攻(夜間)
- リハビリテーション専攻(夜間)
- 経営・政策科学研究科
- MBA専攻
- ビジネス情報数理専攻
- 社会経済システム専攻
- 都市計画専攻
- 理工学研究科
- 理工学専攻(昼夜開講)
- 環境科学研究科
- 環境科学専攻(昼夜開講)
- バイオシステム研究科
- バイオシステム専攻
- 医科学研究科
- 医科学専攻(昼夜開講)
- 体育研究科
- 体育方法学専攻(昼夜開講)
- コーチ学専攻(昼夜開講)
- 健康教育学専攻(昼夜開講)
- スポーツ健康科学専攻(昼夜開講)
- スポーツ健康システム・マネジメント専攻(夜間)
- 芸術研究科
- 美術専攻(昼夜開講)
- デザイン専攻(昼夜開講)
- 世界遺産専攻(昼夜開講)
- ビジネス科学研究科(夜間社会人大学院;区分制)
- 経営システム科学専攻
- 企業法学専攻
大学院博士課程研究科
- 人文社会科学研究科(5年制)
- 哲学・思想専攻
- 歴史・人類学専攻
- 文芸・言語専攻
- 現代文化・公共政策専攻
- 社会科学専攻
- 国際政治経済学専攻
- ビジネス科学研究科(夜間社会人大学院;区分制)
- 企業科学専攻
- 数理物質科学研究科(区分制)
- 数学専攻
- 物理学専攻
- 化学専攻
- 物質創成先端科学専攻
- 電子・物理工学専攻
- 物性・分子工学専攻
- 物質・材料工学専攻(後期3年独立専攻)
- システム情報工学研究科(区分制)
- 社会システム工学専攻
- 経営・政策科学専攻
- 社会システム・マネジメント専攻
- リスク工学専攻
- コンピュータサイエンス専攻
- 知能機能システム専攻
- 構造エネルギー工学専攻
- 生命環境科学研究科(5年制)
- 地球環境科学専攻
- 地球進化科学専攻
- 構造生物科学専攻
- 情報生物科学専攻
- 生命共存科学専攻
- 国際地縁技術開発科学専攻
- 生物圏資源科学専攻
- 生物機能科学専攻
- 人間総合科学研究科(5年制;※を付したものは医学を履修する4年制課程)
- 教育学専攻
- 学校教育学専攻
- 心理学専攻
- 心身障害学専攻
- ヒューマン・ケア科学専攻
- 感性認知脳科学専攻
- スポーツ医学専攻
- 先端応用医学専攻※
- 分子情報・生体統御医学専攻※
- 病態制御医学専攻※
- 機能制御医学専攻※
- 社会環境医学専攻※
- 体育科学専攻
- 芸術学専攻
- 図書館情報メディア研究科(区分制)
- 図書館情報メディア専攻
専門職大学院(社会人大学院)
- ビジネス科学研究科
- 法曹専攻(法科大学院)
- 国際経営プロフェッショナル専攻
[編集] 研究組織
学系
- 哲学・思想学系
- 歴史・人類学系
- 文芸・言語学系
- 現代語・現代文化学系
- 社会科学系
- 数学系
- 物理学系
- 化学系
- 地球科学系
- 教育学系
- 心理学系
- 心身障害学系
- 生物科学系
- 農林学系
- 農林工学系
- 応用生物化学系
- 社会工学系
- 物理工学系
- 物質工学系
- 機能工学系
- 電子・情報工学系
- 基礎医学系
- 臨床医学系
- 社会医学系
- 看護科学系
- 体育科学系
- 芸術学系
- 図書館情報学系
[編集] センターなど
- 全国共同利用施設
- 計算科学研究センター
- プラズマ研究センター
- 学内共同教育研究施設
- 先端学際領域研究センター(TARA)
- 外国語センター
- 体育センター
- 農林技術センター
- 陸域環境研究センター
- 生命科学動物資源センター
- 下田臨海実験センター
- 菅平高原実験センター
- 留学生センター
- 遺伝子実験センター
- 大学研究センター
- 陽子線医学利用研究センター
- アドミッションセンター
- 産学リエゾン共同研究センター
- 教育開発国際協力研究センター
- 知的コミュニティ基盤研究センター
- 学際物質科学研究センター(TIMS)
- 特別支援教育研究センター
- 北アフリカ研究センター
- 学術情報メディアセンター
- 研究基盤総合センター
- 保健管理センター
- その他
- 理療科教員養成施設
- 心理・心身障害教育相談室
- ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー
- TLO (株)筑波リエゾン研究所
- 附属学校教育局
[編集] 附属学校
附属校は11校ある。
平成16年4月1日の国立学校設置法など廃止、国立大学法人法など施行に伴い、国立久里浜養護学校は筑波大学の附属校となった。
筑波大学の同窓会である茗溪会は、茨城県つくば市に茗溪学園中学校高等学校を運営している。