塩沢とき
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塩沢 とき(しおざわ とき、1928年4月1日 - )は、日本の女優。本名、塩沢 登代路。
東京市牛込区中里町(現・東京都新宿区中里町)出身。実践高等女学校(現・実践女子学園高等学校)卒。東宝芸能所属。
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[編集] プロフィール
1947年(昭和22年)、杉葉子らとともに東宝ニューフェイス第2期に合格。1950年には端役で『女三四郎』にて映画初出演、以降『武蔵野夫人』(1951年)、『うれし恥かし看板娘』(1954年)、『見ないで頂戴お月さま』(1954年)『大学のお姐ちゃん』(1959年)など数々の東宝の作品に清楚な美人女優として出演する。テレビの時代に入ると、様々なドラマの脇役で大活躍、特に『愛の戦士レインボーマン』や『へんしん!ポンポコ玉』、『ケンちゃんシリーズ』などの子供向けのドラマ作品では敵役の魔女、教育ママなど個性的な役を好演、子供たちの間にも隠れファンを多く持つようになる。
しかし30歳のときに舌癌を病み、その手術の際に総入れ歯となってしまう。このことはずっと秘密にしていたが、1981年、テレビ朝日系列『徹子の部屋』にて初告白、その後、自身の体験を本にして出版する。また、このときに過去の華麗な恋愛を披露し、さらには「男性のものを頂く」という間接的表現で精飲など情熱的な性行為を告白し、周囲に衝撃を与えた。
その後、フジテレビ系列の『月曜ドラマランド』などでお金持ちの奥様やカカア天下の課長夫人などの役を、これまた個性的に怪演、1984年よりフジテレビにて始まった小堺一機司会の『ライオンのいただきます』にゲスト出演、そのトークと大きく結った独特のヘアスタイルで人気を博し、ドラマにバラエティに映画に出演、売れに売れまくる。が、その最中、またもや今度は57歳で右乳癌を患い入院、手術する。
その後はマイペースにドラマ、映画、舞台、などの仕事をこなしていく。しかし1999年、今度は骨粗鬆症を患ってしまうが、その間も杖をつく役などで体をフォローしつつ、少しずつドラマなどの仕事をこなしながらも5年間の闘病生活を送る。
新薬の出現で骨粗しょう症を無事完治した2004年9月、左胸に違和感があり、前回の執刀医に診察してもらうと、乳癌であることが判明した。ごく初期だったため、乳房を残す方法も検討されたが「ありったけ取ってください」と全摘出。手術は無事成功し、今でも元気に仕事をこなしている。摘出前は巨乳としても有名だった。
好物はヒレステーキであったが、現在でも食べているかは不明。
[編集] 出演
[編集] 映画
- 女三四郎(1950年、東宝) - デビュー
- 武蔵野夫人(1951年、東宝) - 監督:溝口健二 クレジットでは「塩澤登代路」と表記されている。※DVD発売
- うれし恥かし看板娘(1954年、東宝) - 初主演
- ジャンケン娘(1955年、東宝) - 共演:美空ひばり カラー映画
- サザエさん(1956年、東宝)
- 大学のお姐ちゃん(1959年、東宝) - 本名から『塩沢とき』に改名。ヤクザ映画ではない。
- 独立愚連隊(1959年、東宝)
- サラリーマン出世太閤記 花婿部長No.1(1960年、東宝)
- ガス人間第1号(1960年、東宝)
- 怪獣大戦争(1965年、東宝)
- 人間革命(1973年、東宝)
- ルパン三世 念力珍作戦(1974年、東宝)
- 青春の門(1975年、東宝)
- 駅 STATION(1981年、東宝)
- 時代屋の女房II(1985年、松竹)
- 必殺 ブラウン館の怪物たち(1985年、松竹)
- 雪の断章(1985年、東宝)
- ルパン三世 バビロンの黄金伝説(1985年、東宝・日本テレビ・よみうりテレビ)
- ドン松五郎の生活(1986年、東宝)
- ボクの女に手を出すな(1986年、東映)
- 母(1988年、松竹)
- REX 恐竜物語(1993年、松竹)
- 大夜逃(1995年、東宝)
[編集] 舞台
- アニーよ銃をとれ(1964年)
- いちばん星(1978年)
- ミズ(1984年)
- ふしぎの国のアリス(1985年、シアターアプル)
- 喜劇・手枕さげて(1986年、名鉄ホール)
- 風と共に去りぬ(1987年、帝国劇場)
- 義理人情いろはにほへど若旦那(1988年、新宿コマ)
- 遠山の金さん(1991年、新歌舞伎座)
- アンの愛情(1991年、東京芸術劇場 / 大阪メルパルク)
- エニシング・ゴーズ(1991年、日生劇場 / 中日劇場)
- リリーとリリー(1991年、セゾン劇場)
- 大草原の小さな家(1993年 - 1996年、東京厚生年金会館 他)
- アーサー家のローズ(1994年、新神戸オリエンタル劇場 / 博品館)
- 名古屋嫁取り物語(1996年、中日劇場)
- 五木ひろし特別公演(1998年、明治座)
- 満ちたりぬ月(1998年、名鉄ホール)
- 新・名古屋嫁取り物語(1998年、中日劇場)
- あばれ女将(1999年、帝国劇場)
- 松井誠奮闘公演 女形気三郎(2001年、サンシャイン劇場)
- 嫁も姑も皆幽霊(2002年、三越劇場)
- しあわせ家族(2004年、名鉄ホール 他)
- 嫁も姑も皆幽霊(2004年、名鉄ホール)
[編集] テレビドラマ
- 東芝日曜劇場 岐路(1960年、東京放送)
- グーチョキパー(1964年、フジテレビ)
- フジ三太郎(1968年、TBS)
- 金メダルへのターン(1970年、TBS)
- おくさまは18歳(1970年、TBS)
- 愛の戦士レインボーマン(1972年、NETテレビ)
- へんしん!ポンポコ玉(1973年、TBS)
- 円盤戦争バンキッド(1976年、日本テレビ)
- 朝の連続テレビ小説 いちばん星(1977年、NHK)
- 焚火(1979年、NHK)
- ひまわり戦争(1980年、フジテレビ)
- 一人来い二人来いみんな来い(1980年、TBS)
- 日本悪妻に乾杯!(1981年、TBS)
- その時が来た(1982年、TBS)
- 男と女のあいだには(1982年、毎日放送)
- 立花登青春手控(1983年、NHK)
- 鬼のいぬ間に(1983年、フジテレビ)
- 月曜ドラマランド 長谷川町子のいじわる看護婦(1983年、フジテレビ)
- 月曜ドラマランド ぐうたらママ(1983年、フジテレビ)
- 大河ドラマ 山河燃ゆ(1984年、NHK)
- 月曜ドラマランド 意地悪お手伝いさん(1984年、フジテレビ)
- 月曜ドラマランド ぐうたらママ(1984年、フジテレビ)
- 大河ドラマ 春の波濤(1985年、NHK)
- 月曜ドラマランド 意地悪お手伝いさん(1985年、フジテレビ)
- 月曜ドラマランド 白バイ野郎トミー&マツ(1985年、フジテレビ)
- 銀河テレビ小説 主夫物語(1986年、NHK)
- 嫁と姑の隣人戦争III(1986年、よみうりテレビ)
- 夏・体験物語2(1986年、TBS)
- こんな学園見たことない(1987年、日本テレビ)
- 再婚します(1988年、東海テレビ)
- 夢通りエプロン亭(1989年、テレビ東京)
- 月曜ドラマスペシャル 温泉仲居番頭物語(1990年、TBS)
- 木枯らし紋次郎(1990年、TBS)
- 逆転 嫁・姑(1991年、よみうりテレビ)
- 温泉病院看護婦長推理カルテ(1991年、朝日放送)
- 世にも奇妙な物語 絶対イヤ!(1991年、フジテレビ)
- カネボウヒューマンスペシャル 終の夏かは(1992年、日本テレビ)
- パパっ子ちゃん(1993年、よみうりテレビ)
- ツインズ教師(1993年、テレビ朝日)
- 月曜ドラマスペシャル 代理母殺人事件(1994年、TBS)
- 月曜ドラマスペシャル 死の誕生パーティー看護婦シリーズII(1995年、TBS)
- 命 燃えて(1997年、毎日放送)
- 命 賭けて(1998年、毎日放送)
- ああ嫁姑(1999年、毎日放送)
- ディアゴースト(2000年、毎日放送)
- 花王愛の劇場 一攫千金夢家族(2002年、TBS)
- 23時ドラマ 女将になります(2003年、NHK)
- 花王愛の劇場 一攫千金夢家族2(2003年、TBS)
- 金曜エンタテイメント 新・細腕繁盛記(2005年、フジテレビ)
[編集] バラエティ
- ライオンのいただきます(1984年、フジテレビ)
- 午後は○○おもいッきりテレビ(1988年、日本テレビ)
- 土曜大好き830(1989年、関西テレビ)
- ぴりッとタケロー(1990年、TBS)
- 2時のワイドショー(1992年、よみうりテレビ)
- ザ・ワイド(1994年、よみうりテレビ)
- キンキンのとことん好奇心(1995年、テレビ朝日)
- 三枝の爆笑ホームパーティ(1999年)
- ポンキッキーズ21(2001年、フジテレビ)
- たけしの誰でもピカソ(2002年、テレビ東京)
- お宝映像クイズ見ればナットク!(2003年、NHK)
[編集] トークショー・講演会
- 塩沢ときの泣き笑い人生
[編集] 著書
- 愛ときどき涙―ガンも男も乗り越えて、いま青春まっただ中(1985年、講談社)
- ときさんの いつだっておんな盛り花盛り―泣いても笑っても、いいじゃございません?!(1988年、ベストセラーズ)
- がん人生(1992年、データハウス)