外交政策
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外交政策(がいこうせいさく、Foreign policy)とは外交交渉を戦略的、効率的に行うために立案される総合的な対外政策である。主に国家の安全保障、経済的利益その他国益の保持・最大化を主として策定される外交戦略に基づいて立案され、実行される。
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[編集] 概説
国家にとって生存、平和、繁栄、独立を求めることは当然であるが、その国内、国外情勢はさまざまである。すなわちそれぞれの国家にそれぞれの適切な国家戦略があると考えられる。その国家戦略を達成するための対外的な戦略が外交戦略であたり、その外交戦略を実際に実現するのが外交政策である。外交政策はその安全保障や国際経済の環境を改善し、緊急事態においては危機管理を行う。
[編集] 抑止
安全保障において、優れた軍事力を維持することにより、戦争を起こして期待できる戦果がコストとリスクを上回ることがないと相手に判断させ、そのことにより戦争を回避することができる。しかし、この抑止をより確実に成功させるためには外交的アプローチが欠かせない。なぜなら相手に攻撃するコストとリスクを認識させるためには、相手に確実に自分が断固として自国の国益を防衛する意思があることを伝える必要があるからである。ただあし「本当に国益を防衛する意思」と「実際に国益を防衛する能力」の二つを備えなければ、上記の意思の伝達は有効性を持たない。
[編集] 強制外交
強制外交とは相手国に敵対行動をとらせないように限定的な軍事力や威嚇を用いる外交政策である。これは軍事力を用いて強制を行うことではなく、軍事力を用いることで各種外交交渉を有利に進める外交政策である。例えばフォークランド紛争においてはイギリスは軍事力の行使をエスカレートさせる前に、アルゼンチンに敵対行動を撤回するチャンスを与える外交政策を展開した。(強制外交を参照)