大戦略
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『大戦略』(だいせんりゃく)は、1985年にシステムソフトより発売されたパーソナルコンピュータ(PC-9800シリーズ)用ゲームソフト『現代大戦略』を祖とするウォー・シミュレーションゲームのシリーズである。
ウォー・シミュレーションゲームの定番として、パソコンや家庭用ゲーム機向けに多数の製品が発売されている。 2007年現在は、システムソフトより分社したシステムソフト・アルファーが版権を所有しているが、家庭用ゲーム機ではライセンスを取得した別メーカーから移植版が出ることが多い。
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[編集] 概要
一般的なウォーシミュレーションはマップ上にあらかじめ布陣されたユニットを用いるが、大戦略シリーズはユニットの生産を行える点が特徴。
六角形のマス(ヘックス)で区切られたマップを自軍本拠地周辺で生産した兵器ユニットで制圧し、敵軍の本拠地を制圧すれば勝利となるのが基本ルール。各兵器には相性があり、戦車には対地攻撃機を、対地攻撃機には戦闘機を、戦闘機には対空車両を……といった具合に相性のいい兵器を敵にぶつけるのが勝利への鍵である。
初代である『現代大戦略』の時点で各ユニットに経験値というパラメーターが存在しており、同じ種類のユニットでも生産されたばかりの新兵より、戦闘をこなしてレベルアップした歴戦のユニットのほうが能力が高くなる。これは後に登場したシミュレーションRPG(ウォー・シミュレーションとコンピュータRPGの結合)という新ジャンルへの布石となったと考えられる。
シリーズ初期のものは陣営ごとに順番にユニットを動かすターン制を採用していたが、後には、マップ内の全ユニットが時間経過にしたがって同時に行動するセミリアルタイム制を採用しているものも出現した。また初期のものはいわば神の視点でプレーヤーがマップの全域を見て敵の布陣を知ることができたが、後には索敵の概念も導入された。
パソコン版はメインシリーズの新作が出るたびに新システムが投入され、よりマニアックな方向へと進化しているが、パソコン版の第1作や第2作のシンプルなシステムを受け継いだ初心者向けのシリーズも同時に出すことでユーザー離れを防ごうとしている。これは裏返せば、コンシューマゲームの分野ではキャラクター性の高いシミュレーションRPG、パソコンゲームの分野ではリアルタイム性が高くオンラインでの対戦が充実しているリアルタイムストラテジーに人気が移行しており、かってのように大戦略がシミュレーションゲームの代名詞として話題に上ることが少なくなったことの証左といえる。コンシューマー移植版は基本的に初心者向けのシステムを採用している。
基本的には現代の兵器による架空戦がテーマになっているが、第二次世界大戦をテーマにしたもの(『アドバンスド大戦略』シリーズ、『大戦略 大東亜興亡史』シリーズ)や、剣と魔法のファンタジー世界をテーマにしたもの(『マスターオブモンスターズ』シリーズ)、アドベンチャーゲームと組み合わせたもの(『サイバー大戦略 出撃!はるか隊』)など様々なバリエーションが存在する。
発売当初はマップの縮尺と部隊の移動速度が対応していなかったり(例えばF15戦闘機の移動速度が歩兵のたった5倍にすぎないなど)、生産のペースが現実的でないといった部分を「“シミュレーション”とは言えない」との意見もあったが、「シミュレーション」ではなく「シミュレーションゲーム」である以上、現実性よりもゲームバランスを重視したデザインとするのは当然の選択といえよう。実際問題として、ウォー・シミュレーションゲームが一般化して以降はそのような声は聞こえなくなった。
[編集] シリーズ
[編集] パソコン
- 現代大戦略(1985年)
- 一つの陣営内で兵器の国籍が混在、陸・空のみで海は無し。
- 大戦略88 / 大戦略FM / 大戦略X1(8bit機向け)
- 大戦略II(1987年)
- ターン制。マップによっては4ヶ国対戦が可能。各陣営は国籍・兵器を統一。間接射撃のユニットを導入。戦闘は敵味方同時攻撃に変更。
- キャンペーン版大戦略II(1989年)
- スーパー大戦略(8bit機向け)
- 大戦略III(1989年)
- セミリアルタイム制を導入。
- 大戦略III'90
- 大戦略IV(1992年)
- 大戦略V(1996年)
- 大戦略VI(1999年)
- 大戦略VII(2001年)
- 大戦略VIII(2006年)
- 大戦略パーフェクト
- 大戦略 大東亜興亡史
[編集] コンシューマー
- 大戦略(ファミリーコンピュータ、1988年10月11日、ボーステック)
- スーパー大戦略(メガドライブ、1989年4月29日、セガ)
- スーパー大戦略(PCエンジン、1990年4月27日、マイクロキャビン)
- 大戦略(ゲームボーイ、1991年6月12日、ヒロ)
- アドバンスド大戦略 ドイツ電撃作戦(メガドライブ、1991年6月17日、セガ)
- 対戦型 大戦略G(ゲームギア、1991年9月28日、システムソフト)
- キャンペーン版 大戦略2(PCエンジン、1992年5月29日、マイクロキャビン)
- 大戦略エキスパート(スーパーファミコン、1992年9月25日、アスキー)
- ワールドアドバンスド大戦略 ~鋼鉄の戦風~(セガサターン、1995年9月22日、セガ)
- ワールドアドバンスド大戦略 ~作戦ファイル~(セガサターン、1996年3月15日、セガ)
- 大戦略 ~プレイヤーズスピリット~(プレイステーション、1996年3月29日、OZクラブ)
- ADVANCED WORLD WAR ~千年帝国の興亡~(セガサターン、1997年3月20日、セガ)
- 大戦略エキスパートWW2(スーパーファミコン、1997年8月30日、アスキー)
- 大戦略 -ストロング・スタイル-(セガサターン、1997年6月27日、OZクラブ)
- 大戦略 マスターコンバット(プレイステーション、1998年12月3日、OZクラブ)
- サイバー大戦略 出撃!はるか隊(プレイステーション、1999年2月4日、システムソフト)
- アドバンスド大戦略 ~ヨーロッパの嵐・ドイツ電撃作戦~(ドリームキャスト、2000年6月22日、セガ/システムソフト)
- アドバンスド大戦略2001(ドリームキャスト、2001年4月26日、セガ)
- 大戦略 For ゲームボーイアドバンス(ゲームボーイアドバンス、2001年12月7日、メディアカイト)
- 大戦略1941~逆転の太平洋~(プレイステーション2、2002年09月26日、サミー)
- 大戦略VII(Xbox、2003年05月29日、クールキッズ)
- スタンダード大戦略 電撃戦(プレイステーション2、2004年11月11日、サミー)
- スタンダード大戦略 失われた勝利(プレイステーション2、2005年6月2日、セガ)
- 大戦略ポータブル(プレイステーション・ポータブル、2005年12月22日、元気)
- セガエイジス2500シリーズVol.22アドバンスド大戦略 ドイツ電撃作戦(プレイステーション2、2006年2月23日、セガ)
- 大戦略DS(ニンテンドーDS、2006年5月25日、元気)
- 大戦略VIIエクシード(プレイステーション2、2006年12月14日、システムソフト)
- 大戦略ポータブル2(プレイステーション・ポータブル、2006年12月14日、元気)
[編集] その他
- 戦略爆撃機による敵国家攻撃をテーマとした「空軍大戦略」という派生作品も開発・発売されたが、攻撃目標が民間人の居住する都市という題材が生々し過ぎたのか商業的には失敗し、その後、続編も製作されていない。
[編集] 外部リンク
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