天然痘
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天然痘(てんねんとう)は、天然痘ウイルスを病原体とする感染症の一つ。疱瘡(ほうそう)、痘瘡(とうそう)ともいう。
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[編集] 歴史
有史以来、世界中で不治、悪魔の病気と恐れられてきた代表的な感染症。過去に定期的な大流行を起すことで知られていた。日本では、古代の天平年間に遣唐使や遣新羅使を通じて侵入したと考えられている天然痘が西日本を中心に大流行し、平城京では政権を担当していた藤原四兄弟が相次いで死去した。また、隻眼のため「独眼竜」の異名で知られる奥州の戦国大名・伊達政宗が幼少期に右目を失ったのも天然痘によるものである。
エドワード・ジェンナーが天然痘ワクチンを開発、それ以降は急速に流行が消失していく。
1958年に世界保健機構(WHO)総会で「世界天然痘根絶計画」が可決され、根絶計画が始まった。1977年のソマリアでの患者を最後に発生しておらず、1980年5月8日にWHOは根絶宣言を行った。天然痘ウイルスは現在、ロシア・アメリカのレベル4施設で厳重に管理されている。2007年現在、天然痘は根絶された唯一の感染症。
[編集] 臨床像
- 40℃前後の高熱、頭痛・腰痛などの初期症状に始まる。
- 発熱後3~4日目に一旦解熱して以降、頭部、顔面を中心に皮膚色と同じ、またはやや白色の豆粒状の丘疹が生じ、全身に広がっていく。
- 7~9日目に再度40℃以上の高熱になり、呼吸困難等を併発、発疹は膿疱となる。この時期の重篤な呼吸不全によって死に至る。
2~3週目には膿疱は瘢痕を残して治癒に向かう。
[編集] 予防・治療
「種痘」というワクチン接種による予防が極めて有効。 感染後でも4日以内であればワクチン接種は有効であるとされている。 また化学療法を中心とする対症治療が確立されている。
[編集] 問題
WHOによる根絶宣言があり、日本国内でも1976年以降予防接種が廃止された。 それ以前に予防接種を受けた人でも、免疫の持続期間が一般的に5~10年といわれているため、現在では免疫を持っている人はほとんどない。 インフルエンザと同様の接触・飛沫感染であるため、近年生物兵器としてテロに流用されることが危惧されている。
[編集] 関連法規
天然痘はかつての伝染病予防法では法定伝染病に指定されていた。2006年現在、感染症法で1類感染症に指定されている。
[編集] 関連
[編集] 外部リンク
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