太尉
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太尉(たいい)は、古代中国における官職名で、今風に言えば、軍事担当宰相である。
秦及び前漢では三公の一つとして重要な役職であったが、史記や漢書を見る限りでは、丞相や御史大夫と違い、常設されなかったようである。尚、前漢初期の太尉として、呂氏の乱を鎮圧した周勃と呉楚七国の乱を鎮圧した周亜夫の父子がよく知られる。
ただ、武帝の時代になり、匈奴との戦争が恒常的なものになるに従い、常設の官職となり、後に大司馬と改称されたり、太尉に復したりということを繰り返した。後漢に入ってからも三公の一つとして、官僚の筆頭たることには変わらなかったが、徐々に形骸化されることとなった。