寿岳文章
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寿岳 文章(じゅがく ぶんしょう 1900年(明治33年) - 1992年(平成4年))は、英文学者。随筆家。和紙研究家。民芸運動家。書誌学者。兵庫県神戸市西区生まれ。
[編集] 人物と著作
- 英文学でダンテの『神曲』の翻訳の他、『英文学の風土』、書誌学で『ヰリヤム・ブレイク書誌』『書物の世界』などがある。
- 昭和初期には柳宗悦の民芸運動に参加した。全国の紙郷行脚を行い、文献資料と紙漉きの現場を結びつけて、幅広い視野で和紙史の展開を研究。和紙研究の第一人者的地位にあり和紙関係の著作も多い。『和紙風土記』のほか専門誌『和紙研究』には重厚な論考を数多く発表した。
[編集] 略歴
- 1936年(昭和11)新村出の主導で京都に設けられた和紙研究会の有力なメンバーで、杉原紙の発祥地が、播磨国杉原谷であることなどを実証した。
- 1943年(昭和18)『紙漉村旅日記』(私家版)を刊行、和紙研究に対する深い熱意をこめたものとして評価された。
- 1960年(昭和35)から3年間、正倉院の古紙調査で主導的役割を果たした。
- 1967年(昭和42)和紙の体系的な通史をまとめて『日本の紙』(吉川弘文館)を出版。今日でも和紙研究の基本テキストとされる。
- 1973年(昭和48)『和紙の旅』(芸艸堂)を刊行。