少年法
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通称・略称 | なし |
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法令番号 | 昭和23年7月15日法律第168号 |
効力 | 現行法 |
種類 | 刑事法、社会保障法 |
主な内容 | 少年の保護更生などについて |
関連法令 | 刑事訴訟法、刑法、少年審判規則、少年院法 |
条文リンク | 総務省法令データ提供システム |
少年法(しょうねんほう、昭和23年7月15日法律第168号)は、少年の保護事件、少年や一定の福祉犯罪を犯した成人の刑事事件に関する刑事訴訟法の特則を規定した日本の法律。
目次 |
[編集] 概要
触法少年に対する行政機関による保護処分について定めた1922年に制定された旧・少年法を戦後期に全面改正して成立した。
少年法では未成年者の人格の可塑性に着目し未成年者には成人同様の刑事処分を下すのではなく、原則として家庭裁判所により保護更生のための処置を下すことを規定する。ただし、家庭裁判所の判断により検察に逆送し刑事裁判に付さしめることもできるが、その場合においても不定期刑や量刑の緩和など様々な配慮を規定している(51条、52条、58条、59条、60条等。少年保護手続の項目も参照)。
なお、少年法でいう「少年」と「成人」は、第2条で次のように定義され、性別は無関係である。
- この法律で「少年」とは、二十歳に満たない者をいい、「成人」とは、満二十歳以上の者をいう。
[編集] 議論
少年の可塑性を根拠として強固な支持があったが、残虐な少年犯罪の事例の報道がセンセーショナルにマスコミで取り上げられることもあり、付随して批判的意見が強く取りざたされるようになる。少年事件における犯人・被疑者の人権が、通常刑事事件の犯人・被疑者に比べて強く保護されていることもあって、犯罪被害者の権利がおろそかにされているという批判が被害者などから上がっている。
なお、法務省が発行する犯罪白書によれば、少年の凶悪犯罪の実数は減少しており、戦後のピーク時(1960年代)と2000年代を比較すれば件数は4分の1にまで低下している。
これをもって、人権派弁護士らは「少年犯罪は減少しているのだから少年法は現行で十分機能している」といった意見を述べている。しかし、このような意見に対しては「少年犯罪は、その時代の人口比に占める少年の割合を考慮しなければ意味が無く、人権意識の高まりによる、警察の検挙率の低下のことも加味しなければならない」といった反論がある。
そして、検挙された少年からは「少年法が適用されるうちに犯罪を犯せば、罪も軽く、実名で報道されることもない」といった供述もあり、少年法は少年犯罪をむしろ助長させているといった批判もある。
また、少年犯罪の被害者の大半は、同じ年くらいの少年であり「少年法は悪質な少年を守り、善良な少年を虐げている法律だ」といった見解もあり、このような点から少年法の改正、もしくは撤廃を求める見解もある。
[編集] 報道規制
※賛否の議論・歴史など、詳しくは「実名報道」を参照。
少年法第61条
- 家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。
少年法が直接規定するのは、あくまで、家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者に対してであり、指名手配者や逮捕者に対してではない。
一方で、一部週刊誌やテレビで実名を報道・掲載して、物議を醸した事例がある。
2006年に発生した山口女子高専生殺害事件においては、被疑者の少年(事件当時19歳)が自殺した状態で発見されたため、たとえ犯人だった場合でも更生の可能性はないため、匿名にする必要性がなくなったとして、一部の報道機関は被疑者の遺体発見後から顔写真と実名を報道した。杉浦法相は「死亡後も保護の対象から除外されない」とし、「報道の際は慎重に対応していただきたい」と述べた。