山本舜勝
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山本 舜勝(やまもと きよかつ、1918年 - 2001年7月9日)は、愛知県出身の日本の軍人、自衛官。
1939年に陸軍士官学校、1944年に陸軍大学校を卒業。終戦まで陸軍少佐として参謀本部に勤務。情報機関である陸軍中野学校の教官も兼務した。
戦後、陸上自衛隊に入隊し、アメリカ陸軍やアメリカ特殊戦学校に留学。帰国後、のちに日本共産党が「影の軍隊」と糾弾する、1954年に設立された陸上自衛隊調査学校(東京都小平市、現・小平学校)の「対心理情報課程」創設に携わり、同校副校長に就任。元陸将補。
1967年に「楯の会」の指導を通じて三島由紀夫と知り合い、交友を結ぶ。山本は「楯の会」の事実上の指導官であった。「新宿騒乱事件」につながった1968年10月21日の国際反戦デーの集会では、調査学校の学生と「楯の会」のメンバー計数十人が、山本の指揮で学生らのデモ隊の中に潜入し、組織リーダーが誰かなどを調査する訓練を行っていた。「楯の会」が皇居に突入する「クーデター計画」を三島に示されるが、山本は反対する。この計画は1970年11月25日の三島事件のひな形と推測されている。
退官後、三島に関する著書を執筆、発表する。
[編集] 著書
- 『三島由紀夫・憂悶の祖国防衛賦 市ケ谷決起への道程と真相 』(日本文芸社)1980
- 『君には聞こえるか三島由紀夫の絶叫』(パナジアン)1982
- 『サムライの挫折』(三幸社)1985
- 『三島思想「天皇信仰」歴史で検証する』(元就出版社)1994
- 『自衛隊「影の部隊」三島由紀夫を殺した真実の告白』(講談社)2001