岩田鉄五郎
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岩田鉄五郎(いわた てつごろう)は、水島新司の野球漫画のいくつかに登場する、架空の人物。登場作品によって、来歴や立場、場合によっては容姿や性格も大きくことなるが、水島新司が自己をもっとも強く反映したキャラクターとして認識されている。アニメ版での声優は西村晃→北山年央→納谷悟朗。
水島はいわゆるスターシステムを使う作家ではないが、その中での例外といえるのが、岩田鉄五郎といえる。
[編集] 『野球狂の詩』における岩田鉄五郎
旧制中学時代の学生野球で活躍、ヒットを一本打たれたらそれがニュースになるほどの名投手だった。太平洋戦争への従軍後、「大日本東京野球倶楽部」(のちの東京メッツ)に入団。ながくエースとしてメッツに貢献し、親会社のメッツ食品から重役の地位を約束されても現役にこだわり続け、学生野球時代のライバルであり、プロでバッテリーも組んだ五利監督の初優勝に現役のまま立ち会った。
選手権助監督かヘッドコーチのような役割で、ドラフトで五利と同席してくじをひいたりしている。TO砲や水原勇気の指名も岩田の判断によるところが大きい。国立玉一郎や立花薫、日下部了の入団に際しては、岩田が親族または本人と時に直接、あるいは電話で話し合っている。 日下部了が入団したときなど、練習でメッツのメンバーがランニングや兎跳び(今では運動に効果がないと言われている)をしているが、鉄五郎は現役選手のはずが監督やコーチ用の上着を来て指導をしていた。
その後もコーチや監督も兼任しながら現役を続け、別の水島作品『ストッパー』では主人公・三原心平の最大の強敵?として描かれた。一時は完全に野球界を離れていたが、72歳にしてプレイング監督として現役復帰。『週刊モーニング』の『野球狂の詩VSドカベン』(『週刊少年チャンピオン』では『ドカベンVS野球狂の詩』として同時連載)でも、80歳ながら監督兼投手として登場する。ちなみに、彼が監督に就任する度に、五利はヘッドコーチに降格させられる(監督失格という意味ではなく、鉄五郎を補佐できるのは五利しかいないという事)。
通算成績は最低でも200勝以上400敗以上と考えられている。若い頃は球界1の剛速球を投げていたが、現在は年齢を考えると100キロを超えるくらい。また超遅球と呼ばれるハエもとまるスローボールが得意変化球。フォークボールを投げたのも岩田が日本で最初とされ、杉下茂がフォークの神様と呼ばれているのが気に入らないらしい。
『ストッパー』での記述に従うと、「大昔」(1980年代から見ての大昔)に完全試合を達成しているらしいが、プロ野球での記録なのか、公式戦においてなのかどうか、詳細は不明。バッテリーを組んだ五利監督によれば、この時ばかりは別人のように緊張していたという。
[編集] 『あぶさん』における岩田鉄五郎
主人公・景浦安武の高校野球時代の監督であり、のちに南海ホークスのスカウトとして、景浦にプロ入りの道を開く。
のちに語られるところでは、両者の初めての出会いは岩田鉄五郎35歳、景浦安武15歳の時(この年齢差は第1回での登場時とは明らかに矛盾する)、牛乳配達のアルバイトをしていた景浦と牛乳を売るか売らないかの問答から喧嘩になり、それなりに自信のあったらしい景浦をまるで問題にせずしりぞけた。しかし、売り物の牛乳をすべて叩き割っても自分の意思を押し通した景浦に、ただならぬものを感じた様である。景浦もまた、彼が新潟北明高校野球部の監督に就任すると知ると、彼を追って同校へ入学する。
景浦の入団後もしばしば練習場や行き着けの居酒屋大虎に現れていたが、福岡移転時あたりから登場していない。
また「球道くん」においても南海のスカウトとして登場している。
[編集] その他の作品における岩田鉄五郎
『野球狂の詩』以降、「東京メッツの岩田鉄五郎」は多くの水島作品に姿を見せている。
1973年の小学館漫画賞受賞の短編『出刃とバット』にて城東アタックスの中西将に200号本塁打を打たれる投手として登場。74年の『野球大将ゲンちゃん』にも孫の武司と一緒に出演。『ブル』では旭ダイヤモンズのやくざ選手岩田一振の敵役として登場。84年の『極道くん』では、清正高校で燻っている京極道太郎の才能をいち早く見抜く。さらに88年の『ストッパー』では大阪ガメッツ(のちに大阪ドリームス)の三原心平のライバルとして登場。特に後者は『野球狂の詩』の続編的な内容で人気が高い。岩田鉄五郎は様々な野球常識の隙を突く方法で挑んでくる三原と正面から対決、最終話も2人の投げあいで終わるなど印象深い作品である。
その他『大甲子園』で山田太郎や不知火守たちを五利と一緒にスタンドから観戦し、来たるドラフトに備える姿を見せている。また『白球の詩』においては水原、五利とともに高年齢選手三原に現役最年長投手としてひとこと言うゲスト出演の1コマもあった。2005年の『ドカベンVS野球狂の詩』のクライマックスで対戦した岩鬼正美は『ドカベン』において憧れのプロ野球選手は岩田鉄五郎と発言していた。岩田は岩鬼との打席をもって現役を引退しようと決意。岩鬼は岩田のためにわざと三振して花道を作ってあげようと、適当にスイングした・・・が、なんとジャストミートでサヨナラホームランになってしまう。岩田は引退を撤回し、来年も現役で頑張ると決意した。
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