平敦盛
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平敦盛(たいら の あつもり、嘉応元年(1169年) - 元暦元年2月7日(1184年3月20日))は、平安時代末期の武士。平経盛の末子。平清盛の甥。位階は従五位下。官職にはついておらず、無官大夫と称された。
従五位下に叙せられ、無官大夫と呼ばれた。一ノ谷の戦いで熊谷直実に討たれた。享年16。その後直実は出家する。淡路島南淡島に敦盛の史跡がある。
『平家物語』において敦盛が直実に討たれる場面が有名であり、謡曲『敦盛』、歌舞伎『一谷嫩軍記』などの題材となった。織田信長の好んだ歌『人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け滅せぬもののあるべきか』は幸若『敦盛』の一節である。
横笛の名手として知られていた。討たれた時、鳥羽院より賜った『小枝の笛』(謡曲では『若葉の笛』)を所持していた。
須磨寺にある平敦盛の首塚 |
[編集] 敦盛さん
広島県庄原市には古くから「敦盛さん」という民謡(市の無形民俗文化財)が伝わっている。
それによると敦盛は討ち取られたのではなく、室とともに生きて庄原に逃げてきて、庄原の地で生涯を終えたことになっており、敦盛夫妻の墓ではないかと言われてきたものも現存している。
どのような経緯で伝承が生まれたのかは定かではなく、全国各地に見られる平家の落人伝説の一種と見られる。 しかし敦盛を討ったとされる熊谷直実は安芸国に所領を与えられており、また熊谷氏は戦国時代に至るまで安芸に土着していることから、その点と何らかの関係がある可能性も考えられる。
[編集] 関連項目
ゲーム
- 『遙かなる時空の中で3』(2004年、平敦盛 声:保志総一朗)