広島ナタリー
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広島ナタリー(ひろしま-)は広島県佐伯郡廿日市町阿品(現廿日市市)にあったテーマパーク。最寄駅はJRでは阿品駅、広島電鉄では広電阿品駅。フジタの関連会社である廿日市観光開発株式会社が経営していた。
広島市の西郊、宮島の対岸に1974年4月23日にオープンした遊園地。ナタリー号という美麗な帆船が置かれたプールを中心とした施設で、他にも当時のふれこみでは東洋一の高さ、という大観覧車やジェットコースター、お化け屋敷など基本的な遊園地の施設は有った。広島で遊園地と言えばナタリーというくらい有名であった。特筆すべきは、開園時と初期のCMイメージキャラクターとして、デビュー間もないキャンディーズが採用されていたことである。キャンディーズにとってもテレビCMデビュー作であるが、当時キャンディーズはまったく売れてなく、カメラ小僧が少し写真を撮りに行っていたが、ファンはいなかったように思う。「年下の男の子」(1975年)の大ヒットまで、その後もたびたび来広し数本のCM撮影が行われた。撮影後もここでよく遊んでいた。広島県人もこのCMは40代以上の人でないともう憶えていない。キャンディーズが解散する前に『ザ・ベストテン』の中継場所に選ばれラストシングル「微笑みがえし」(1978年)を歌った。
1980年代に入ると同遊園地の東側にフジタのスポーツ施設が完成し、サッカー教室やスイミングスクールの場としても親しまれてきた。
しかしながら入園料も施設使用料も高かったせいか、バブル崩壊後は徐々にお客は減少していった。晩年のアトラクションとしては巨大迷路が有名となった。また夏場のプールと冬場の屋外スケートリンクは家族連れで賑わっていた。1996年3月で閉園し、現在はショッピングセンター(フジグランナタリー)やマンション(ナタリーマリナタウン)に生まれ変わっているが、いずれも、長年親しまれた「ナタリー」の名前を残している。なお、マンションは廿日市観光開発株式会社が経営している。当時県内にはテーマパークが他に数カ所あったが今ではみろくの里だけが残っている。
広島市周辺の者には非常に思い入れのある施設であり、他地域の人達にとっては、"ナタリー"と言えば、フリオ・イグレシアスかナタリー・ポートマンだろうが、広島市周辺の者にとっては"ナタリー"と言えば、広島ナタリーである。誰でも1度はここでデートをした事が有るはずである。アンガールズもDVDのタイトルにナタリーの名前を使っている。