戦闘糧食 II型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
戦闘糧食II型(せんとうりょうしょくにがた)は、自衛隊で使用されているレーション。
[編集] 概要
1990年に自衛隊が採用した新しい戦闘糧食で、従来の戦闘糧食 I型が缶詰であるのに対して、II型は全てレトルトパウチ包装である。ゆえにI型に比べて持ち運びと調理が容易になっている。I型では25分であったご飯の湯煎時間が、II型では10分になっている。しかし、レトルトパウチは金属缶に比べて強度の面で劣るため、耐久性は低下している。そのため今後もI型は併用される。
保存方法と内容物が異なるのみで、基本的には戦闘糧食I型と同様、湯煎して数日間食べられる状態にしてから配給される。運用に関する詳細は戦闘糧食 I型を参照。
I型に比べてメニューが増えており、中華丼もあり、おかずは筑前煮、チキンステーキ、肉団子、塩鮭などもある。また、フリーズドライ食品を採用し、スープや味噌汁が付く場合もある。また、ご飯に漬物が添付されることもある。自衛隊カンボジア派遣中に行われたUNTAC参加国の戦闘糧食コンテストで1位を獲得したことがあり、レーションとしては比較的評判が良い。
パックの外装は基本的に戦闘糧食I型と同様オリーブドラブ色で、行動中に草むらに廃棄しても目立たないようになっている。ただし、オリーブドラブ色に黒い文字で内容物が書いてあるため見分けが付きづらい白飯と赤飯を区別するため、ご飯パックのみ端のほうが透明になっている。
派生型として銀色のパックに入った携行食(和風御飯・ベーコン御飯・チャーハン・五目御飯・帆立御飯等)もある。これには1個400グラムの米飯が入っている。こちらは民間で流通しているレトルト食品と同様であるが、防衛庁専用に近い形で流通している。製造元は高級幹部の天下り先などで、こちらの銀色のパック飯の味の保証は出来ない(非常に不味く、食えたものではない)。