手宮線
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手宮線(てみやせん)は、北海道小樽市の南小樽駅から同市内の手宮駅を結ぶ日本国有鉄道が運営した鉄道路線(貨物線)である。北海道で最初の鉄道開業区間の一部で、石炭や海産物の積み出しで賑わったが、1985年に廃止となった。
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[編集] 路線データ(廃止時)
- 管轄:日本国有鉄道
- 区間(営業キロ):南小樽~手宮 2.8km
- 軌間:1067mm
- 駅数:2(色内仮乗降場(駅)は含まず)
- 複線区間:なし(全線単線。なお、一時期複線であった)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:タブレット閉塞式
[編集] 歴史
北海道では最初の鉄道である官営幌内鉄道(手宮~札幌~幌内)の一部として1880年に開通した(なお、北海道では明治初年に泊村茅沼炭山より海岸まで軌道が敷設されているが、牛力での貨車曳航であったため「鉄道」とはみなさないとされるのが一般的である)。
官営幌内鉄道は1889年に北海道炭礦鉄道に譲渡された後、鉄道国有法によって1906年に買収、国有化された。
- 1880年11月28日 【開業】官営幌内鉄道手宮~開運町(~札幌) 【駅新設】手宮、開運町
- 1881年5月22日 【駅名改称】開運町→住吉
- 1889年12月11日 【譲渡】北海道炭礦鉄道
- 1893年11月6日 【貨物線開業】手宮~桟橋 【駅新設】(貨)桟橋
- 1900年6月11日 【駅名改称】住吉→小樽(初代)
- 1901年11月6日 【路線廃止】手宮~桟橋 【駅廃止】(貨)桟橋
- 1906年10月1日 【国有化】小樽~手宮
- 1907年7月1日 【旅客営業休止】全線
- 1909年10月12日 【国有鉄道線路名称設定】手宮線 小樽~手宮
- 1912年8月6日 【仮停車場新設】色内
- 1912年8月11日 【旅客営業再開】全線
- 1914年12月1日 【仮停車場休止】色内
- 1920年6月1日 【仮停車場再開】色内
- 1920年7月15日 【駅名改称】小樽→南小樽
- 1943年5月1日 【仮停車場→駅】色内
- 1943年10月1日 【旅客営業休止】全線 【駅休止】色内
- 1948年11月10日 【旅客営業再開】全線
- 1949年9月1日 【仮乗降場新設】色内
- 1962年5月14日 【旅客営業廃止】全線
- 1962年5月15日 【仮乗降場廃止】色内
- 1985年11月5日 【路線廃止】全線
[編集] 駅一覧
南小樽駅 - (色内仮乗降場(駅)) - 手宮駅
[編集] 接続路線
- 南小樽駅:函館本線
[編集] その他
- 現在、廃線跡のほとんどが保存されている。踏切も残っており、踏切での一時停止の不要を知らせる看板もある。手宮駅跡は博物館(「小樽交通記念館」)として活用されているほか、手宮線をLRTとして復活する提案が地元の「小樽まちづくり協議会」を中心になされている。
- 色内は戦後仮乗降場であったと記録されているが、昭和30年代の同駅には入場券が存在し(国鉄の規則上仮乗降場や臨時駅には入場券が存在しない)、券面に臨時駅を示す(臨)の文字が印刷されている。なぜ規則にない入場券が発売されていたのか、なぜ(臨)の文字が印刷されていたのかは定かではない。