小樽市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
小樽市(おたるし)は、北海道後志支庁北部に位置する市。石狩湾に面し、古くから港湾都市として発展した。歴史的建造物が数多く、全国有数の観光都市としても人気が高い。また、隣接する札幌市のベッドタウンとしての役割も持つ(札幌市から快速で25分圏内)。
後志支庁管内では唯一の市であり最も多くの人口を抱えるが、支庁は内陸の倶知安町に置かれている。保健所政令市の一。なお、ここ数年人口は減少傾向にある。
目次 |
[編集] 地理
後志支庁北部、日本海側沿岸に位置する港町である。かつては町の中に運河が引き込まれた運河の町でもあり、今もその一部が保存されている。市域の南部は山地で、標高は高くないがところどころで海岸まで険しく迫る。市街が傾斜地まで展開しており、「坂の街」と呼ばれ、坂の代表的なものに船見坂(ふなみざか)や地獄坂がある。沿岸部を函館本線が走る。
- 山岳: 朝里岳(1280.8m)、和宇尻山(856m)、於古発山(708m)、天狗岳(683m)、毛無山(市の南西境、650.4m)、天狗山(市の東部、536.7m)、毛無山(市街の南方、548.4m)、天狗山 (市街の南西方、532.5m)、石倉山(500.9m)
- 河川: 星置川、キライチ川、銭函川、張碓川、朝里川、勝納川、塩谷川、妙見川
- 湖沼: オタルナイ湖(朝里ダム)
[編集] 隣接している自治体
[編集] 歴史
アイヌ語の「オタ・オル・ナイ」(砂浜の中の川)が地名の由来とされるが、今の小樽の町に該当する川はない。小樽内川(現在の札幌市南区にある小樽内川とは別物)は今の星置川の下流で、現在の小樽市域の東端、石狩平野の砂浜の近くを流れていた。河口に置かれたオタルナイ場所はその後、西方に移転して小樽内川から離れたが、オタルナイ場所の呼称は引き続き用いられた。これにより今の小樽の地がオタルナイ(小樽内、尾樽内、穂足内)と呼ばれるようになる。
20世紀前半は石狩地方で産出された石炭の輸送や、外国との貿易で栄えた。後半は経済の中心が札幌市に移ったため、当時と比べると衰退している。
- 年表
- 1865年 : 幕府はオタルナイを村並とする
- 1869年 : オタルナイを小樽と改める
- 1880年 : 手宮-札幌間に北海道最初の鉄道「幌内鉄道」(のちの国鉄手宮線)が開通
- 1899年 : 区制施行(現在の区制とは異なり、当時の本州の市制よりも自治権の弱い体制である。)
- 1914年 : 第一期埋立事業(小樽運河)起工
- 1922年 : 市制施行、小樽市
- 1940年 : 高島町、朝里村を合併する
- 1958年 : 塩谷村を合併
- 1965年 : 開基100年記念式典を行う
- 1975年 : 石狩町(現石狩市)の一部(石狩湾新港西部)を編入
- 1989年 : テレビ北海道(TVH)小樽中継局開局
- 1992年 : 札樽自動車道全線開通(札幌西IC~札幌JCT)
- 2007年 : NHK札幌放送局と民放5局(北海道放送(HBC)・札幌テレビ放送(STV)・北海道テレビ放送(HTB)・北海道文化放送(UHB)・TVH)が地上デジタル放送を開始(NHK札幌放送局が10月1日、民放5局が11月1日に開始。)。
[編集] 経済
[編集] 産業
水産・観光業。市街地に残され往時の繁栄をしのばせる近代建築が観光資源となっており、小樽運河と小樽ガラスは全国的に知名度が高い。1995年公開された岩井俊二監督の映画『Love Letter』の舞台となったことから、韓国人や台湾人など近隣諸国からの観光客が急増している。
[編集] 立地企業
- 北海道中央バス
- 北海道ワイン株式会社
- 北海道保証牛乳株式会社桂岡工場
- 北の誉酒造株式会社
- 田中酒造株式会社
- 雪の花酒造株式会社
- 日本製粉株式会社 小樽工場
- 一正蒲鉾株式会社北海道工場
- 株式会社田中工業
- 新日本海フェリー株式会社本店
- 株式会社かま栄
- 伊藤ハムデイリー株式会社小樽工場
- 株式会社 新宮商行
- 株式会社 光合金製作所
- 合同化成 株式会社
- 第一ゴム株式会社
- 株式会社北海道村
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 国内
[編集] 海外
[編集] 地域
[編集] 教育
- 専修学校
- 市立小樽病院高等看護学院
- 専門研修施設
- 国立小樽海上技術学校
- 小中学校
- 市内には小学校が27校、中学校が14校ある(堺小学校は2006年3月閉校。稲穂小学校と花園小学校に編入)
[編集] 国の機関
[編集] 交通
[編集] 鉄道
[編集] 路線バス
- 北海道中央バス(小樽市は北海道中央バス発祥の地)
- ジェイ・アール北海道バス
- ニセコバス
[編集] 人力車
[編集] 道路
- 高速道路
- 一般国道
- 都道府県道
- 北海道道1号小樽定山渓線
- 北海道道17号小樽港線
- 北海道道147号銭函インター線
- 北海道道225号小樽石狩線
- 北海道道454号小樽海岸公園線
- 北海道道697号天神南小樽停車場線
- 北海道道820号小樽港稲穂線
- 北海道道956号小樽環状線
- 北海道道1066号石狩湾新港線
- 北海道道1126号銭函停車場線
[編集] 港湾
[編集] 文化財
[編集] 重要文化財(国指定)
- 旧日本郵船株式会社小樽支店
- 旧手宮鉄道施設
[編集] 史跡(国指定)
- 手宮洞窟
- 忍路環状列石
[編集] 北海道指定文化財(建造物)
- 鰊漁場建築(旧田中家番屋)
[編集] 小樽市指定文化財(建造物)
- 旧日本銀行小樽支店
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- おたる水族館
- 旭展望台
- 小樽運河
- 煉瓦倉庫街
- 石原裕次郎記念館
- 潮祭り
- 毛無峠
- 朝里ダム
- 手宮洞窟
- 朝里川温泉
- 小樽天狗山スキー場
- 北一硝子
- 寿司
- 旧日銀小樽支店
- 竜宮閣跡
- 小樽交通記念館 (2006年3月閉館)
- 小樽文学館
- 小樽美術館
[編集] 出身有名人
[編集] 政治・経済
[編集] 学術・文化・芸術
- 秋野豊 - 政治学者・元筑波大学教授(故人)
- 井尻正二 - 古生物学者(故人)
- 井上芳保 - 社会学者
- 岩村忍 - 歴史学者(故人)
- 内田文昭 - 刑法学者
- オーティス・ケーリ - 日本文化研究家、元同志社大学教授(故人)
- 河邨文一郎 - 医学者、詩人(故人)
- 武隈慎一 - 経済学者
- 山内進 - 法学者
- 山内昌之 - 歴史学者・東京大学教授
- 香山リカ - 精神科医
- 伊藤整 - 作家(故人、松前郡生まれ)
- 小林多喜二 - 作家(故人、秋田県生まれ)
- 山中恒 - 児童文学作家
- 荒巻義雄 - SF作家
- 川又千秋 - SF作家
- 小熊秀雄 - 詩人(故人)
- 天童大人 - 詩人
- 小笠原淳 - フリーライター
- 中村善策 - 洋画家(故人)
- 平沢貞通 - 洋画家、元帝銀事件死刑囚(故人)
- 福井爽人 - 日本画家
- 一原有徳 - 版画家
- 斉藤裕 - 建築家
- 川村栄二 - 作曲家
- 小沼勝 - 映画監督
- 小林正樹 - 映画監督(故人)
- なかにし礼 - 作詞家、作家
- 石山透 - 脚本家(故人)
- 八田尚之 - 脚本家(故人)
- 吉田秀和 - 音楽評論家(東京市生まれ)
- 堀賢一 - ワイン研究者
- 水口哲也 - ゲームプロデューサー
- 村上真紀 - 漫画家
- 山下和美 - 漫画家
- 山花典之 - 漫画家
[編集] 芸能・マスコミ
- 中村伸郎 - 俳優(故人)
- 室田日出男 - 俳優(故人)
- 岡田嘉子 - 女優(故人、広島県生まれ)
- 水之江滝子 - 女優
- 宮本信子 - 女優
- 川村ゆきえ - タレント
- 加藤浩次 - 極楽とんぼ
- 正司照江 - 漫才師・かしまし娘
- 林家とんでん平 - 落語家
- 虎南有香 - モデル
- 岡本敦郎 - 歌手
- 木之内みどり - 元歌手
- 松原操 - 歌手(故人)
- ナンシー梅木 - ジャズ歌手、女優、アカデミー助演女優賞受賞
- 青木秀一 - ミュージシャン・NIGHT HAWKSリーダー
- 斗羅 - ミュージシャン・陰陽座ドラマー
- 今中麻貴 - フリーアナウンサー
- 小山乃里子 - フリーアナウンサー
[編集] スポーツ
- 高鐵山孝之進 - 大相撲元関脇(故人)
- 岡部哲也 - スキーアルペン選手
- 青地清二 - スキージャンプ選手
- 八木弘和 - スキージャンプ選手
- 米野智人 - プロ野球選手
- 北上知恵美(未来) - 女子プロレスラー(故人)
- 高橋洋子 - 総合格闘家
- 菅原義正 - ラリードライバー
[編集] ゆかりの人物
[編集] 小樽を舞台とした作品
[編集] 小説
[編集] 随筆
[編集] 映画
- Love Letter(岩井俊二監督)
- はるか、ノスタルジィ(大林宣彦監督)
[編集] 漫画
[編集] その他
- 伊藤整文学賞を主催している。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 北海道の市町村 | 港町 | 小樽市 | 日本の市町村のスタブ項目