斬り抜ける
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『斬り抜ける』(きりぬける、第15話から『斬り抜ける・俊平ひとり旅』(きりぬける・しゅんぺいひとりたび)に改題)は、朝日放送と京都映画撮影所(現・松竹京都映画株式会社)が制作し、TBSテレビ系列(当時)で放映された時代劇。 1974年10月3日~1975年2月13日にかけて、木曜夜9時からの1時間枠で放送。全20回。
目次 |
[編集] 作品内容
作州(現在の岡山県北部)松平藩藩士・楢井俊平(近藤正臣)は、藩の命令により、友人であり、同僚である森千之助(岩崎信忠)を殺害したが、のちにその理由が俊平を愕然とさせてしまう。藩主である松平丹波守(菅貫太郎)が千之助に対し、千之助の妻・菊(和泉雅子)を藩主の妾にせよという密命を、千之助が拒絶したためである。
俊平は、藩主に反発し、菊と一人息子・太一郎(岡本崇)を連れ、藩主の非道を幕府に訴えるため、江戸に旅立った。丹波守は、俊平を不義者だとして、千之助の父=菊の義父・義兵衛(佐藤慶)と異母弟・伝八郎(岸田森)に俊平と菊の殺害を命じ、松平姓を名乗る各藩に二人の手配書“松平廻状”を出した。
[編集] 制作の背景
本作は、前番組で、プロデューサーをはじめ、必殺シリーズのスタッフで製作された『おしどり右京捕物車』とほぼ同じ世界観―逆境の中で芽生える愛―をさらに強調したとされている。しかし、この逆境の世界観が視聴者には理解されず、さらに強力な裏番組の存在もあり、視聴率は苦戦した(当時の裏番組は、NHK=ニュースセンター9時、日テレ=氷紋(YTV制作)、フジテレビ=編笠十兵衛(同じく時代劇、東映京都撮影所製作)、NETテレビ=だいこんの花(第4部・ナショナルゴールデン劇場)、東京12チャンネル=木曜洋画劇場)。チーフプロデューサーの山内久司(現・朝日放送常任顧問)は当時のインタビューで敗北を宣言した。
さらに追い討ちをかけるかのように、放送開始から約1ヵ月半後の1974年11月19日、制作局の朝日放送は、それまでネットしていたTBSから、翌年3月31日をもって、NETテレビ(現・テレビ朝日)系列へ変更することを発表(腸捻転ネットワークの解消。ちなみに毎日放送(MBS)はNETからTBSへ変更)。このことと直接の関係があったかは不明だが、中盤から内容が大転換。タイトルも『斬り抜ける・俊平ひとり旅』に変更し、毎回大物俳優が次々とゲスト出演するも視聴率はさらに低迷。木曜9時枠の制作をTBSに明け渡し、事実上撤退した。
補足だが、近藤正臣演じる俊平の衣装はデニム=ジーンズで出来ている。時代劇でジーンズという異色の衣装は、後に『必殺仕事人』シリーズで三田村邦彦演じる秀の衣装へ引き継がれていく。
[編集] キャスト
- 楢井俊平 … 近藤正臣
- 森菊 … 和泉雅子(第1~14話)
- 森伝八郎 … 岸田森
- よろずやの弥吉 … 火野正平
- 道家鋭三郎 … 志垣太郎(第1~13話)
- おしん … 田坂都(第1~13話)
- 松平丹波守 … 菅貫太郎
- 森嘉兵衛 … 佐藤慶
- ナレーション
- 語り … 江守徹
- 作 … 池田雅延
題字ならびに毎回のサブタイトルは、必殺シリーズと同じく糸見渓南が手がけた。
[編集] 主題歌
[編集] スタッフ
- プロデューサー:山内久司、杉本宏(朝日放送)、佐相惣一郎(松竹)
- 音楽:鈴木淳
- 脚本:大工原正泰、横光晃、早坂暁、佐々木守ほか
- 殺陣:楠本栄一、美山晋八
- 監督:佐伯孚治、松野宏軌、田中徳三、大熊邦也、工藤栄一ほか
- 制作協力:京都映画株式会社(現・松竹京都映画株式会社)
- 制作:朝日放送、松竹
[編集] 放映リスト(サブタイトルリスト)
- 不義者俊平
- 松平はずし
- お札くずれ
- 女が峠を越えるとき
- 女が命を燃やすとき
- 女が道を変えるとき
- 男は待っていた
- 女が愛にゆれるとき
- 男は耐えていた
- 女が炎になるとき
- 女が闘うとき
- 男は賭けた
- あなたが欲しい
- 愛と死と…
- 城中乱入 - この話から『斬り抜ける・俊平ひとり旅』に改題。
- 城代暗殺
- 綾姫御殿
- 死地突入
- 黄金振舞
- 作州炎上
[編集] ソフト化情報
地上波やCSでの再放送が長らく行われなかっただけに、コアなファンからは幻の作品とされていたが、2004年7月よりキングレコードからDVDソフトが発売された(全6枚、DVD-BOXはなし)。
[編集] 番組の移り変わり
TBS系 木曜21時台(ここまでABCの制作枠) | ||
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前番組 | 斬り抜ける 斬り抜ける・俊平ひとり旅 |
次番組 |
おしどり右京捕物車 | 火をみた女 (ここからTBSの制作枠) |
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