おしどり右京捕物車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドラマ |
Portal : テレビ Portal : ドラマ |
ドラマ一覧 |
日本のドラマ |
カテゴリ |
テレビドラマ |
プロジェクト |
テレビドラマ |
『おしどり右京捕物車』(-うきょうとりものぐるま)は、朝日放送と京都映画撮影所(現・松竹京都映画株式会社)が制作し、TBSテレビ系列(当時)で放映された時代劇。1974年4月4日~9月26日にかけて、木曜夜9時からの1時間枠で放映された。全26回。
目次 |
[編集] 作品内容
北町奉行所の与力・神谷右京(中村敦夫)は、容赦なく悪党どもを追い詰め、“北町の虎”と恐れられていたが、 ある日、野洲の萬蔵(遠藤太津朗)一味の罠にはめられ、下半身不随になり、奉行所を解雇されてしまう。
しかし、かつての同僚・秋山左之介(前田吟)から、わずか一両ながら、悪人退治の仕事を請け負う「下請け与力」となった右京は、 愛妻・はな(ジュディ・オング)の押す荷車に乗りながら、鞭をしならせ、悪人を闇に葬っていく。
[編集] 制作の背景
本作は、凄腕の与力が悪の罠にはめられ、妻の献身により、絶望の淵から這い上がろうとする描写が毎回描かれ、 さらに、悪への強い執念を画面いっぱいに描きあげた。
毎回、はなが右京を押す荷車は、持ち手に自転車のハンドブレーキの原理を利用している。 これを設計したのは、演出陣のひとりの故・三隅研次監督である。
ところで、撮影が終盤に差し掛かった1974年の7月、右京役の中村敦夫は、『JNNニュースショー』(現在の『みのもんたの朝ズバッ!』枠)の1コーナー「パスポート4」で、革命15周年のキューバを取材するため、1ヶ月間番組から離れてしまったのである。
しかし、制作スタッフは、はな、秋山をメインにした話を作り、右京の不在を切り抜けた。
[編集] 幻の必殺シリーズ!?
実はこの『おしどり右京』、プロデューサーをはじめ、必殺シリーズのスタッフによって製作されている。 詳細は不明だが、そもそもこの作品は、『助け人走る』の後番組として、必殺シリーズに組み込む予定があったという (実際の必殺第4弾は『暗闇仕留人』)。 メインキャストの3人は、後に本当に必殺シリーズに出演している。
- 右京(中村敦夫) … 『必殺仕置屋稼業』第20話「一筆啓上手練が見えた」(1975年11月14日放送)に助っ人の仕事師・「疾風の竜」役でゲスト出演。その次作『必殺仕業人』(1976年)に赤井剣之介役で、中村主水(藤田まこと)を差し置いて、そしてシリーズ中最悪の平均視聴率となり、必殺シリーズ打ち切りの危機の原因になった『翔べ! 必殺うらごろし』(1978-79年)では「先生」役で、それぞれ主演。
- はな(ジュディ・オング) … 『必殺必中仕事屋稼業』第2話「一発勝負」(1975年1月11日放送)に被害者役でゲスト出演。『必殺からくり人』(1976年)に花乃屋仇吉(山田五十鈴)の娘・とんぼ役、『新・必殺からくり人・東海道五十三次殺し旅』(1977-78年)では小駒役で、それぞれレギュラー出演。
- 秋山(前田吟) … 『必殺仕置人』第12話「女ひとりの地獄旅」(1973年7月7日放送)と『助け人』第26話「凶運大見料」(1974年4月13日放送、おしどり右京が始まったばかりのころ)にそれぞれ悪役ゲストで、スペシャル番組『勢ぞろい仕事人! 春雨じゃ、悪人退治』(1990年春)に天文方役人・高橋役でゲスト出演、しかし毒殺されてしまう。
補足:山内久司(現・朝日放送常任顧問)とともにABC側のプロデューサーを務めた杉本宏は、 この『おしどり右京』の後番組『斬り抜ける』でも山内とコンビを組み、 後に同局制作の長寿トークバラエティ番組『新婚さんいらっしゃい!』も担当したことがある。
[編集] キャスト
- ナレーション
題字ならびに毎回のサブタイトルは、必殺シリーズと同じ糸見渓南が手がけた。
[編集] 主題歌
- 「愛は夕日に燃えて」
- 作詞:悠木圭子 作曲:鈴木淳 編曲:竜崎孝路 唄:藤木竜
- 発売:ポリドールレコード(現・ユニバーサルミュージック)
[編集] スタッフ
- プロデューサー:山内久司、杉本宏(朝日放送)、櫻井洋三(松竹)
- 音楽:鈴木淳
- 脚本:野上龍雄、安倍徹郎、大工原正泰、佐々木守ほか
- 監督:三隅研次、工藤栄一、松野宏軌、西村大介、蔵原惟繕、田中徳三ほか
- 制作協力:京都映画株式会社(現・松竹京都映画株式会社)
- 制作:朝日放送、松竹
[編集] 放映リスト(サブタイトルリスト)
- 鞭(むち)
- 炎(ほのお)
- 讐(かたき)
- 妖(よう)
- 蹄(ひづめ)
- 奪(うばう)
- 忍(しのぶ)
- 囲(かこむ)
- 妬(やく)
- 爆(ばく)
- 変(かわる)
- 簪(かんざし)
- 砲(ほう)
- 殺(ころす)
- 虜(とりこ)
- 闇(やみ)
- 破(やぶる)
- 燃(もえる)
- 眩(くらむ)
- 怨(うらむ)
- 怒(いかる) - 秋山が主役の話。
- 峠(とうげ) - はなが主役の話。
- 穴(あな)
- 轟(ごう)
- 櫛(くし)
- 愛(あい)
[編集] ソフト化情報
内容が下半身不随者差別を明らかに助長しているため、地上波やCSでの再放送が長らく行われなかっただけに、コアなファンからは封印作品とされていたが、2003年12月よりキングレコードからDVDソフトが発売された(全7枚、DVD-BOXはなし)。
[編集] 番組の移り変わり
TBS系 木曜21時台(当時はABCの制作枠) | ||
---|---|---|
前番組 | おしどり右京捕物車 | 次番組 |
新十郎捕物帖・快刀乱麻 | 斬り抜ける |
カテゴリ: 松竹製作のテレビ番組 | TBSの時代劇 | 朝日放送のテレビドラマ | 1974年のテレビドラマ | 封印作品