新田部親王

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

新田部親王（にいたべのしんのう、生年不詳 - 天平7年9月30日（735年 10月24日））は天武天皇の第10皇子。母は藤原五百重娘（藤原鎌足の娘）。塩焼王・道祖王の父。官位は一品大将軍に昇る。新田部皇子（…みこ）とも。

707年文武天皇大葬の際、舎人親王と共に皇太子首皇子（のちの聖武天皇）の補佐を命ぜられ、両親王の内舎人・大舎人・衛士が増員される。これは、天武天皇の皇子は舎人親王と新田部親王の両名しか存命していなかった為、重要な立場である事認識させる為だったという。720年に右大臣藤原不比等が没すると知五衛及授刀舎人人事に任命され禁衛軍を掌握する。724年首皇子が即位し、一品に叙せられる（異説あり）。729年大将軍であった時、知太政官事舎人親王・藤原武智麻呂らと共に長屋王邸に派遣され、王の罪状を審議する。その後、畿内大惣官を経て735年平城京で没する。生年は判っていないが、50代であったとされる。

756年聖武天皇崩御の際、天皇の遺詔により子の道祖王が皇太子に立てられるが、翌年品行不良を理由に皇太子を解かれ、同年橘奈良麻呂の変に加担したとして拷問され獄死。同じ年に塩焼王が氷上真人の姓を賜り臣籍降下するがやはり恵美押勝の乱で処刑される。又、新田部親王の邸宅は764年に鑑真に与えられ唐招提寺となった。