朱雀帝
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朱雀帝/朱雀院(すざくてい・すざくのみかど/すざくいん)は、『源氏物語』に登場する二番目の帝(在位「葵」~「澪標」)。架空の人物。桐壺帝の第一皇子で、母は弘徽殿女御(大后)。光源氏から見て三歳上の異母兄。24歳で即位。心ならずも母である弘徽殿女御(大后)その他の源氏敵視策に荷担するが、夢枕に立った桐壺院から叱責を受け、母后の反対を押し切り源氏を召還、冷泉院に譲位した。退位後は朱雀院(すざくいん、実存した歴代の上皇の御所)に住まう。朧月夜との平穏な生活を経、42、43歳頃、母后の崩御、自身の病の為出家を急ぎ、女三の宮を源氏に降嫁させる。しかしこの縁組みは失敗、朱雀院は源氏に恨み言を言いつつ女三の宮を出家させた。晩年出家。五十四帖中「桐壺」から「夕霧」まで登場。柔和な性格、源氏に引け目をおっている。
[編集] 后妃
- 承香殿女御…髭黒の妹。今上帝の母。今上帝即位前に没、皇太后位を追贈される。
- 藤壺女御(源氏女御)…桐壺帝の藤壺中宮の異母妹。女三宮の母。女三宮降嫁前に没。
- 麗景殿女御…桐壺帝時代の右大臣の孫。弘徽殿女御(大后)の姪。「賢木」に名が見える。
- 更衣(一条御息所)…女二宮(落葉の宮)の母。「夕霧」で没。
- 尚侍(朧月夜)…桐壺帝時代の右大臣の六の君。弘徽殿女御(大后)の異母妹。弘徽殿に住まい、朱雀帝から寵愛を受ける。
[編集] 皇子女
- 第一皇子…冷泉帝の東宮。「若菜下」で即位、今上帝。
- 第一皇女…女一宮。「若菜上」に名が見える。
- 第二皇女…女二宮(落葉の宮)。「若菜下」で柏木に降嫁、柏木死去後は夕霧と結婚。
- 第三皇女…女三宮。「若菜上」で光源氏に降嫁、北の方に。薫の母。
- 第四皇女…女四宮。「若菜上」に名が見える。