李政道
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李政道(りせいどう、Lee Tsung-Dao / Li Zhengdao 、男性、1926年11月25日 - )は、中国系アメリカ人の物理学者。
1926年、中華民国の蘇州に生れる。江西聨合中等学校に入学し、1943年浙江大學に進学するも戦争により中断され、翌1944年に西南聨合大學へ転入した。戦後の1946年、アメリカのシカゴ大学へ留学し、エンリコ・フェルミのもとで学び博士号を取った。この時の同門は、のちにノーベル賞を共同受賞した楊振寧であった。1950年結婚し、二人の息子がいる。彼はカリフォルニア大学やプリンストン高等研究所にも籍を置き、1953年にはコロンビア大学の助教授に就任。三年後の1956年には29歳という最も若い教授となった。
同1956年、李は楊とともに 素粒子間の弱い相互作用においてはパリティ(対称性)が保存されないというパリティ対称性の破れについて研究し、「フィジカル・レビュー」誌に発表した。これはすぐに実証され、物理学の世界に一大センセーションを引き起こし、二人は翌1957年度のノーベル物理学賞を共同受賞した。彼らは中国系の人物としては初のノーベル賞受賞者でもある。
彼はのちに中国へ戻り、大学生を対象にした奨学金を設立するなど中国の科学教育分野でも活躍している。
1997年にブルックヘブン国立研究所内に設置された理研BNL研究センターの初代センター長に就任(兼任)。2003年より名誉センター長・理研研究顧問。
平成18(2006)年秋の叙勲で「我が国研究者の指導育成及び日本・アメリカ合衆国間の学術交流の促進に寄与」により旭日重光章が授与された。
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